2016年4月22日金曜日

春の季節と牛さまのお恵みに感謝です!


 
 
暖かくなってきたなーと思えば
雪が降ってみたり。
かと思えば、ここ2日ほどはポカポカの春陽気だったり。

 



春の晴天は気持ちがいいですね~^^






よくブログに来てくださる方はご存知かとは思うのですが、
井上牧場があるのは、北海道の小さな町のこれまたはじっこの地域。
すなわちとっても田舎、とっても過疎地、とっても自然。


そんな場所での暮らしは、見るものも食べるものも豊で季節を感じられるなあと改めて思います。


 
井上牧場の牛さんから頂いた牛乳を飲んだり。
牛乳の上に溜まったクリームを瓶に入れて振ってバターにしたり。
 
 
 
ホワイトソースも生乳から作ったり。
(生乳は、牛さんから頂いた生のお乳のことです。一般的には流通することはまずないですが、スーパーなどで購入できる牛乳とは全く違った味わいです!)
 
 
ホワイトソースはグラタンにして頂きました。
パセリと間違って青のりがかかっていますが(苦笑)
おいしいです(笑)

 
 
 
 
 
それから、牧場だけの定番メニュー、「牛乳豆腐」。
 
 

出産後のお母さん牛から頂くお乳("初乳"と呼んでいます!)は出荷することができないので、酪農家のお宅では加熱して、酢(レモン汁でもOK!)を加えてカッテージチーズにして家族で消費していることが多いです。
この、初乳で作るカッテージチーズのことを、牧場さんでは〝牛乳豆腐"と呼んでおります。
 
 
 
井上牧場さんでは、牛乳豆腐作りはいつもおばあちゃん(代表ヒデさんの母)の作業なので、レシピを盗むべくその現場に立ち会いました。
 
 
 
まずは大量の初乳を大きな鍋にどーーんと入れて、火にかけます。



水を張った鍋の上に牛乳を入れた鍋を入れて加熱していました。
焦げ付いたり、温度が上がりすぎないようにするためかな?
ふむふむ。


そして、ふつふつ、ぐらぐら、してきたあたりでお酢を投入。



レシピとして最も重要と思える、牛乳とお酢の量ですが、ばあちゃん曰く、「適当だ」とのこと。
実際にとても適当にごぼごぼとお酢を注いでいます。
「足りなかったら足せばいい」そうです…。



 
お酢を入れてまたしばらくコトコト加熱。
ときどき大きな木べらで混ぜています。
 
 
そうすると牛乳があーら不思議、どんどんくっついて固形に。
牛乳からホエーが分離して、固形タンパク質(つまりカゼイン)と脂質が残るのです。
 
 
 
 
※牛乳豆腐については過去ブログでも紹介しておりますので、気になった方はコチラもどうぞ!
 
 

 
 
牛乳からホエーが抜けて、透き通った水分と"牛乳豆腐"に分離するまで加熱します。
もしくは、お酢が足りないようなら随時加えます!
 

 

そしてどんどんかたまりのところが大きくなり…

 

 
 
 
 最終的にはこんなにたくさんの牛乳豆腐が!
 
 
 
 
 
きちんと分離したところでザルに取り出します!
牛乳豆腐、大量に完成しました!!
 
 
ちなみに牛乳豆腐を作るときはだいたいいつもこれくらいのサイズです。
 
 
レシピはあんまり盗めませんでした…
とにかく「適当」にやれば完成するようです…本当かしら…
 
 


 
 
作りたての牛乳豆腐は、モチモチというか、ちょっときしむような食感。ちょっとモッツァレラチーズに近いような。
大変美味です。
 
 
食べきれない分は冷蔵庫で保管して数日楽しみます。
するとちょっと固くなってパサパサっとしてくるのですが、焼いたり温めたりするとまた出来立ての感じも楽しめます。
 
 
でもやっぱり出来立てのあったかい牛乳豆腐が大好き。
 


 
 
井上さんちの定番の食べ方は、おしょうゆと唐辛子(南蛮)。
ほんとはもっと色んな食べ方があるのかもしれないですが。
家庭、牧場さんによって違うのでしょうか?
どうなのでしょうか?
 
 
 
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それからこちらは季節限定のおいしいもの。
 
 
わさびです。
 
 
牧場の畑を通り抜けてずんずん進むと、わさびが採れる場所があります。
 
 
 
 
 
あんまり葉っぱのところを見ることは少ないだろうなあと思いますが、これがあのおなじみのわさびの葉だそうで。
 
 
水のキレイな沢付近で採れるらしく、自生する場所も、栽培できる
場所も限られているのでしょうね~。
 
 
 
 
 
 
ちょっとした(…ちょっと急な…)斜面を下りながら、(この斜面の上り下りだけで私次女は足の付け根を痛めました…)
せっせとわさびを集めます。

カゴに2つ分ほどになりました。
大"量"大"量"!
 
 



結構な量と、
自宅まではちょっと距離があるのですが、
ジョブサンで来たので運ぶのは楽ちんです。


こんな風に乗り・・・


 
 
 
お家のある方向へ戻ります。
 
 

 
 
 
それをまたホースでじゃぶじゃぶと洗って軽く泥を落とし。
 
 

 
 
 
ここで採れるわさび、食べるのは基本的に葉っぱの部分です。
根っこの部分はあんまり大きくならないみたい。
 
 
 

それでも根っこのところも少し採れました!
これぞよく知っているわさび。


 
 
 
 
 
葉っぱの部分はしょう油、マヨネーズ、かつおぶしで食べるのが定番の様子。
私次女は個人的にマヨネーズが好きではないので省きます。


 
 
葉っぱでも、味はわさびそのまま。
かなり辛いです、
とっても「ツーーーン」ときます。
すりおろしたわさびより、噛みしめて食べなくちゃいけないからかもしれません。
 

マヨネーズをつけて食べると辛いのが緩和されるので、やっぱりつけて食べるのがおすすめみたいですね^^;
 


北海道の春は短いですが、まだあと少しの間はわさび採りを楽しめるでしょうか。



こちらでの生活はとっても田舎で僻地なので、すぐには手に入らないものも多いのですが。
それでも、環境や既に暮らしている家族、地域住人のみなさまたちのおかげで、
お店が少ないとか、品揃えが少なかったりするくらいで死んでしまうわけでもないです。



現代はインターネットなるものと、流通がきちんと整備されておりますから、2~3日もあればだいたいのものは届けてもらえますし。
なんとかなるので良しだな~と。



いろんなことに対して、
「素直に感謝の気持ちを感じられる」というのが、
住民が少なく自然のままの場所が多いところの、
つまりは田舎の良いところだな~と
ふわっと思う今日この頃です。




冬が終わって続々と顔を出す山のめぐみ、これからも少しずつ、感謝しつつ、頂戴できたらなあと思います!



2016年4月14日木曜日

「いのうえさんちのラズベリー石けん」!



昨日は、井上牧場のある滝上町の隣の隣の町、
下川町にある、
北国石鹸 ソーリー工房」さんへおじゃましてきました。

https://www.facebook.com/sorrykobo/


というのも
井上牧場では
こちらのソーリー工房さんで
「井上牧場産の原料を使った石けんを作ってもらう!」
というプロジェクト(…と言ってみる)をひっそり進めていたからです。

その打ち合わせ&石けんの受け取りに私次女も同席させて頂きました!






ソーリー工房さんでは無農薬栽培でハーブを育て、
それを原料にした石けんや、スキンケアに使うオイルやクリームを作っているそうです。




肌に使う石けんやスキンケア化粧品と言うと、
植物由来のものが肌にも環境にもやさしい、というイメージが強いかもしれませんが、
実は石鹸の原料として昔から使われていたのが
「牛脂」です。





井上牧場では“サンクスビーフ”という名前で
小さくひっそりと牛さんのお肉を販売しておりますが、
その際にも当然「牛脂」はできます。




そこで、井上牧場ではソーリー工房さんで
サンクスビーフからとれる牛脂を使って石けんを作ってもらうこととしました。




ソーリー工房さんと打ち合わせ、試作を重ねた結果、
完成したのが、

「いのうえさんちのラズベリ~せっけん」です!!



ソーリー工房さんでできあがった石けんを見せてもらったところです~
定番の牛さんスタンプで柄がついてます、
たくさん並んでいるとなお良い感じ。



ちなみにラズベリー(井上さんちではキイチゴと呼んでいますが)は、井上牧場の事務所前で採れるもの。
正式名称は“ヨーロッパキイチゴ”だそう。
特に農薬などは使わず、自然な形で栽培…というよりほぼ自生しているキイチゴ。




キイチゴをジャムにして石けんに使っているので、ところどころキイチゴジャムの色やタネのツブツブで見た目のキュートさもアップですね!




そもそも牛脂を使った石けんは
皮脂は落としても肌に元々ある水分を落としにくいので、
肌に優しい仕上がりになると言われてます。




それから、キイチゴには抗酸化物質で知られる
ポリフェノールがたくさん含まれておりまして、

化粧品の原料として使われることも多いようです。
肌に使う石けんの原料としてもぴったりそうです!




私次女も、試作品の段階で使ってみたのですが、
すごく良い感じと思います。

洗ったあともしっとりするし、優しい感じなのです~。
井上牧場の人々の間ではかなり好評です!

(…自画自賛です。)



香りはあまり強くありませんが、
その代わり余計なものは使っていないので
安心して使える石けんです。




まだサンプル品ですがパッケージをつけてみるとまたかわいい~




販売価格は未定ですが、
原料、それから少数販売であるという関係で、
ちょっとお高めの設定になる予感です。。






ソーリー工房さんが制作中の石けんやオイルは
今のところは準備中ですが、
今年の夏~秋以降には商品として販売を予定しているそうです。
素材にも、製法にもこだわっている工房さんの製品ですから、
リリースが楽しみです!




ソーリー工房さんのFacebookページはコチラです♪
https://www.facebook.com/sorrykobo/




牛さんにお肉となってもらうとき、
必ず残ってしまうのが牛脂。
特に何もしなければそのまま、
ただの牛脂として誰かが使ってくれるのか、
あるいは古くなって廃棄されてしまうのか。




大切に育てた牛さんの牛脂がどこに行くのか、

井上牧場にはわかりません。



でも、“井上牧場の牛脂”を原料として石けんにすることで、
肌に優しく、誰かが喜んでくれて、価値が生まれるなら、
それはとてもうれしいことと思います。





「井上さんちのラズベリーせっけん」は、
ただいま置いてくれる販売場所を探し中の段階^^

近々店頭に並んで誰かの手にとってもらえる日がくるといいです~!

2016年4月11日月曜日

井上牧場はベビーラッシュ?




 
4月も1/3が終わりまして。
私次女夫婦も滝上町滝下に引っ越して10日ほど経ったところです。
 



 
 
 
今日4/11は少し雪も降りましたが、ここ最近はだいたい天気がよく、室内にいると春気分になってしまいます。
 
 
 
フキノトウ、つくし、フクジュソウなどなど、草花も季節を感じる顔ぶれです。
 
 
 

 
 
でも見た目の天気以上に空気は冷えていて、風が強いと余計に寒いです。
気温も10度以下が基本。
それなのについつい春の気分で外出してしまうので、寒くて辛い思いをしているここ数日です。。
 
 
 
 
そして井上牧場は、ここ最近牛さんの出産が続いているようです。
ベビーラッシュな時期なのでしょうか。
 
 
 
 
 
ちょうど今日の午前中、仔牛が産まれそうだとのことで、私も牛舎をのぞいてきました。
 
お母さん牛は横になっていて、もう仔牛の前足が出てきているところです。
 
 
牛の出産というと、仔牛の足にロープをくくりつけて皆で引っ張るシーンを思いつきますが、
いつもいつもそうやって助けるわけではないそうで。
まあたしかに、本来は人の助けがなくても出産できるはずですものね。
夜中などで人間が誰も出産のタイミングに立ち会えないときは、朝になると自然に仔牛が産まれているというときもしばしば。
 
 
このお母さん牛は助けてほしそうに牧場の人々を見つめたりしますが、手助けはしませんでした。
その代わりに、
「がんばれー!」とか言って声をかけます。
すると、それがちゃんと聞こえているようで、がんばってくれます。
 
 
あるいは、牛がいきむように
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
とかって言ってあげると、
同じように、
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と力を入れて頑張ってくれるんだそうです。
 
 
そんな感じでお母さん牛を見守って、声をかけたり応援している内に、無事に誕生!
 

 
 
(顔がだいたい出てきたところで、前足を少し引っ張ってあげていましたが!)
 
 
お母さん牛も仔牛も元気で何より!
 

 
私自身は、仔牛が産まれる瞬間に立ち会うのは十数年ぶりかもしれません~。
母さん牛、よく頑張ったね、エライ!!


 
 

 
  
仔牛が出てきてくれたところで、お母さん牛もすぐに立ち上がって顔や体をなめてあげたりしています。


 
 
産まれた仔牛はメスで、茶色みの強い経路。
お母さん牛はホルスタインとブラウンスイスが50%ずつで、
種付けしたお父さん牛は赤毛のホルスタインだからだそう。

 
 
 
女の子牛なので、いずれは井上牧場でお乳を出してくれるお母さん牛としてデビューしてくれるのかなあと思います。





仔牛ちゃんはこの後別の部屋に移ってもらったので、お母さん牛はかなりさみしそうでした。
出産したお母さん牛は、数日後には搾乳が始まって、牛乳を頂くことができます。





仔牛ちゃんは”ハッチ"に移って、体調を崩さないように大切に育てられることでしょう。
こんなことを繰り返しながら、牛乳や乳製品が消費者さまのところへ届けられ、牧場や関連企業さんは生計を立てることができる、というわけなのですね。





夕方にはこのとおり、すっかり仔牛らしい姿になっておりました。
とっても元気にしているようです。





お母さん牛も仔牛ちゃんも元気で何より。
引き続き健康に、すくすくと成長してくれますように!!