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2018年10月16日火曜日

2018年秋の井上牧場!牛たちと紅葉と川がいい感じです!



冒頭の写真は三女あみちゃんによる作品!

牧場での暮らしは日々、
出会いと別れの繰り返しです。

井上牧場では年に何十頭もの仔牛ちゃんが産まれるのですが、
産まれたばかりの仔牛ちゃんは人とあんまり目を合わせてくれなかったり、
人のこと信用していない表情をしています。(あたりまえだけど…)
何も口にしないけれど
「またこの世界に生まれてきてしまった…」
みたいなこと思ってそうな、
虚ろな表情に見えるのだけど、
哺乳瓶から飲むミルクを覚えたらすぐに虜になるそうです!笑


↑仔牛たちのほとんどは人からもらうミルクに夢中なので人間大好きです、
会いにいくと外にでてきて挨拶してくれます~


多くの酪農家では仔牛ちゃんは生まれて数時間内には、
お母さん牛と離れ離れになってミルクは人からもらっています。
そのミルクはお母さんのものだったり、
ほかのお母さん牛の初乳を冷凍したものだったり、
粉ミルクだったりします。
直接お母さん牛からもらえたら、
仔牛だって嬉しいんじゃないかな~と思うけれど、
そうしない理由もあります。
酪農業界の慣例には、思いもしない不思議なことがたくさんあるのです~。


↑こちらはきっとつい一昨日くらいまで
「まだこの世界の何も信じていない目」をしていただろう仔牛ちゃんは
(まだちょっと虚ろな表情している…!)



そしてこの仔牛ちゃんのお母さん。
どうやら出産後、立てなくなってしまったそう。↓


出産後に立てなくなってしまうお母さん牛は、
酪農家さんでは少なくないそうです。
井上牧場でも年に何頭もいます。
出産によって血中カルシウムが不足してしまうことが原因だそうですが、
品種改良によってたくさんのお乳を出せる体質になってきたことが、
牛さん自身のカルシウム不足につながっているのだそうです~。



それから今日、井上牧場から1頭のお母さん牛が出ていきました。
↓これは昨冬に寒すぎて鼻周りの毛が凍っちゃってるときの顔ですふふふ笑


彼女は2010年12月生まれで、
もうすぐ7歳になるところでした。
出産の回数は5回。


乳質が悪くなってしまったので、
淘汰することが決まりました。


乳質が悪い、と言っても、
彼女のお乳が混ざっていても、
乳業メーカーは生乳を買ってくれるくらいの成分です。


ここ何か月か、
私次女が牛乳工房をはじめてしまったので、
より"キレイ”で"安心と思われる”生乳を原料とするため、
というのも1つ。


これから冬に向けて、
放牧中の牛たちが牛舎に戻ってくるので、
牛舎が狭くなりすぎないように牛の数を減らす必要もある、
というのも1つ。


1142ばんが今朝出ていくのはわかっていたけれど、
今回もまた積極的にお見送りに行かなかったために、
遭遇できた頃にはもうトラックのなかでした。
ほか牧場さんからきたお母さん牛たち何頭かと相乗りです、
彼女たちの行く先は同じと畜場。


モノゴトには何でも表と裏があります。
経済効果のみを重視した大量生産の裏側には、
自然や動物たちへの負担がつきまとっています。
その反対に、経済的な価値をあげることで、
自然や動物たちに配慮できることもあります。
井上牧場はまさにその狭間で、
迷いながら悩みながら、牛飼いとしての姿を追究しているんだろうと思います。


1142ばん、おつかれさまね、ありがとう!!
きっと私も忘れてしまうだろうから、
こうしてブログにぐらい記録させてもらいました~。


さて、引き続きここ最近の様子を紹介していきましょう。
先日facebookでお伝えしましたとおり、
10月から放牧場を移動しました。



これまでの放牧場は、写真の右側。
牛舎に向かって右側の草地。↓


ここから道路を渡り、
牛舎を背にして右側の牧草地へと引っ越ししています!




この放牧場はこれまでずっと"採草地”でした。
つまり牧草畑、牧草を収穫してロールにするための場所だったので、
牛たちは踏み入れたことのない場所です。


道なりに線を引いたり(電気はいれていないただのヒモ…)
誘導したり、
通せんぼしたりしながら
何人かで見守っての移動でしたら、
なんとか無事に引っ越しが完了^^


その様子は10月10日にfacebookにて紹介しました~^^



そう、厳密にはこの引越し映像は2回目のもので、
初回の移動を覚えていたからスムーズに移動できたっていうのもあります。
初回のときはグループが2回に分かれての引っ越しでした~。
初めて新放牧地に移動したときの牛たちの様子です。
全容を確認するようにみんなで走り回ってて楽しそうです^^



ちなみにこの2日後、
なぜか全員で旧放牧地に戻ってしまう大脱走事件もあり。
また改めて引っ越しするはめになりました…。


朝の牧場作業中に、
新放牧地の電牧を倒し、
全頭でもとの道をダッシュして移動したそうな…。
(ドドドドドドドドドってめっちゃ牛走ってきてばあちゃんが悲鳴あげてたそうです)
↓これがその日の朝の様子。


誰も敷地外に逃げださなかったのは不幸中の幸いです!
もといた場所にみんなで戻れるなんてほんとうに物覚えがいいし、
団体行動が上手な彼ら。



新しい放牧場はこれまでに比べてかなり狭いのですが、
道路からでも牛たちが近くて、
ちょうど木々が紅葉していて景観がいい感じ。



この奥には"渚滑川”につながる川が流れているのですが、
この放牧地ではこの川水を牛さんたちの飲み水とすることにしました。
これまでの放牧地では水のみ場を用意して水道水を飲んでもらっていたので、
井上牧場にとってはちょっとチャレンジングな設定!


川辺まで入れるのは放牧場内の一部だけ。
ちょっと見えにくいけど、電牧を川の反対側まで伸ばして、
この範囲からは出ないようにしています。


10月の今は、ちょうど秋鮭(アキアジ)の産卵期で、
たくさんのサケたちがこの川をのぼっています。

↓魚影わかりにくくてごめんなさい笑
手前に1匹、中央付近に1匹写っているのではないか、と思います。
実際に川辺に降りるとたくさんのサケたちが上流に向かって泳いでいくのが見えます^^



牛たちにとって、川のこんなに近くまで来るのはもちろん、
川の水を飲み水にするのも初めてのこと。
ちゃんと水飲み場だって判断できるか心配でしたが、、、
大丈夫、使えてました!!


上手に川辺から水を飲んでいます、よかった~!


足湯(、、、水?)みたいにして
川に浸かっているだけの方もいました…!


 向こう岸に渡って、
土をモグモグしたり、
木の根っこで遊んでいる子もいました~。


川に行くときも、
集団行動なのでみんな一緒。
ひとまず、新放牧地でもなんだか楽しそうに見えるので一安心です^^
川から上がった牛たちは蹄もピカピカだしね!



オス牛くん~育成中メス牛ちゃんの放牧場暮らしも今年はあと僅か。
雪が積もり始めるまでは、ここで過ごしてもらいます!
短い秋を楽しんでもらえるといいな~!



2018年10月3日水曜日

野生も家畜も「かわいそう」なのは、人が「共感」する動物だから。



なかなか秋らしくなってきたここ最近。
お天気がいいと暑いくらい暖かい日もあるけれど、
日が落ちると一気に冷え込みます。。冬が近いなあ~。
だけど秋のスッキリした空気はいい感じで、
牛たちもなんだか過ごしやすそう^^


いつものことですが、
ブログを書きだすと思考とか伝えたいこととかがあっちゃこっちゃいってしまって、
結局1つの出来事から1本のブログにまとめるのに1週間くらいかかっちゃうことが多いのです。。
なので今日の導入は先日9月26日のことから!


この日、井上牧場では牛さんのお引越しがいくつかありました。
まずは次回サンクスビーフの1579ばんを送り出すため、
放牧場へお迎えに。



声をかけるといちばんにやってきたのが彼でした、
さすが年長さん、えらいねえ~。


いつものごとく、
「すんなりついてきたらトラックにのせられてしまうんだよ…」と思いつつも、
手間がかからなくてありがたいし、
ひとなつこくてかわいらしい彼。



27日の本日、これまでの牛くんたちと同じように、
名寄の工場へ向かうトラックに乗っていきました。
と畜するのは明日。
今晩から明日のそのときまで、どんな気持ちで過ごすのかなあ。


彼のことについてはまたお肉の販売など決まったときにでも、
紹介したいと思います。


それから、出産を控えている育成牛たち数頭を放牧場へ。
井上牧場の放牧期間は雪が降るまで、なのですが、
残り僅かの秋に若いプレママ牛ちゃんたちを外で遊ばせてあげようという配慮でしょう。
(牛舎内の牛の数が減るとお掃除も楽だし…という人間の都合もあります!)


牛舎内から外へ牛たちを連れ出すときは、
いきなりたくさんの牛を一気に外まで出しません。
彼女たち、ちょっと広いところに出てくると興奮して走ったり暴れたりするので、
牧場のひとびとがケガしたり、設備が壊されたり、敷地外へ脱走するのを防ぐためです。


(この様子を北海道弁で「おだつ」と言ったりします、
なんか、調子にのってさわいだりしている、ことです笑
本当に彼女たちが調子にのってるかは不明ですが、私たちにはそう見えます!)



↑牛舎のなかから一旦外の待機場で待機してもらいます、
きちんとした鉄枠で閉めきることができるので、さわいでもちょっと安心!


この待機場に出てきただけでも「おだち」ます(そのように見える。。)。



お出かけ予定の全員が待機場に集まったら、いよいよ外へ。
いつも搾乳牛舎のお母さん牛たちが通る道を、
全8頭のプレママ軍団が走り抜けていきました…。
あまりにも早すぎてその様子は撮影できず…。
↓既に放牧場にいた男子たち、ちびっこ女の子牛たちとごちゃまぜに…
全頭で放牧場内を走り回ってました、そう、おだっています(多分)。



そしてこの頃、
たまたま「ワイルドライフ」という番組を見かけました。
この日の主役は北極の白オオカミ。
白オオカミが群れで生活するので、
おそらくナワバリの中で子育てしていた別群れのメスを見つけて、
小さな子どもを殺してしまうこととか、
同じ場所で生きるウサギやキツネ、
それからカモメやふくろうの様子。
北極には高い木がないからなのか、
カモメやふくろうは草原の真ん中に巣を作っていて、
いかにも肉食動物の餌になりそうな感じとか。



こういった野生動物のストーリーをみていると、
ついつい食べられてしまう草食動物を応援してしまうけれど、
群れの中で子育て担当だったメスオオカミがやせ細って死んでしまうシーンもあった。
そりゃ肉食動物も大変だよね。。。



食べられる方の動物だって、
食べられない方の動物だって、
どっちも「かわいそう」だって、
ついつい思ってしまいます。



野生の動物や自然を題材にした映像をみるとき、
その反対に、
いつも家畜として暮らす動物たちのこと、
井上牧場で暮らす牛たちのことを思い出します。



野生の暮らしは、自由だけれど生きるか死ぬかの厳しい世界。
それにくらべて家畜の暮らしは、
食事や寝る場所なんかはある程度確保されていて、
危険からも守ってもらえて、
安心して毎日を送ることができる、
結構いい暮らしなのかもしれません。



その代わり、と言っちゃなんですが、
家畜として生まれてきたこの牧場の牛たちは、
いつか食べられてしまったり、
何度も出産させられたり、
お乳を搾り取られたりするよね。
乳牛を飼育する酪農家では、
お母さん牛と仔牛は、産まれてから数時間の内に引き離してしまうところが多いです。
井上牧場でも、そう。



こんな状況もまた、
「かわいそう」だなって、思ってしまう。


私の使う「かわいそう」という気持ち、
国語辞典で表記されている意味とはちょっと違うのかもしれないですが、
私自身は牛たちの感情、気持ちを考えて、
「もし自分だったら…」を想像して悲しくなったときに使う言葉。
だけどそもそも、
他人の考えていることとか感覚なんてわからないし、
人間ですらない彼らの感情とか気持ちなんてわかるはずもなくて、
想像した感情や気持ちそのものが、
もう私、人間の勝手な想像でしかないんですよね~。



↓これは、昨日牛舎の中から何頭かの牛たちが放牧場へ引っ越ししたところ、
みんなまとめて走り回っている様子。
勝手なワタシは楽しそうだなって想像してます。
だってなんだか、楽しそうでしょ笑





山にいるクマとか鹿とか鳥を捕まえて食べることも、
飼育している鶏とか豚とか牛とか羊を繁殖させたり、食べることも、
全然悪いことじゃない。
むしろごくごく当たり前で、必要なこと。
だから、
命をくれる動物たちの気持ちなんて、いちいち考えることはない。



いちいち
「ありがとう」とか、「かわいそうだ」って思わなくても、
最低最悪な人間ではないです。
この世界の命はみんなつながっているからね。
誰かが誰かの命をもらって生きていて、
だから誰もが生きている。



じゃあ、
この、たとえば「かわいそう」、のような、
相手の気持ちを想像してちょっと辛くなるような気持ちがなくなってしまったら?
頂いている命のことなんて、
この世界の人たちがみんな考えることをやめてしまったら?



人間は頭がよくて、
手先が器用で、
この地球、この世界で結構大きな力をもっている。
だけどもし、
その力を好きなだけ、そのまま使い続けていたら、
きっとその内人間という種も消滅してしまうと思うんです。
(これ考えていると天空の城ラピュタとエヴァンゲリオンのこと思い出す…!)



だけどそんな人間たちが住む世界が、
今も続いていて、
この先も続いていけるとしたら、
私たちが自分ではない存在に対して、
想像力とか、感情移入できる力があるからなのかもしれないなあと、
最近考えるようになりました。


家畜として生まれて暮らす
牛たちの気持ちを全く考慮しないとすれば、
より狭い場所で、
粗末な食べ物を与えて、
とりあえず生きてさえいればよくて、
お母さん牛にはどんどん出産してもらって、
何度も何度もお乳を搾って、
妊娠できなくなったりお乳が出なくなるまで飼育して、
いつだって人間の好きなときに命を頂戴すればいい。


それでもなんとなく、
家畜たちのことを考えてしまったり、
気持ちを想像することができるのは、
人間の持つ大事な力。



経済性とか、利益のことばかり考えてしまうと
ついついおろそかになってしまうけれど、
本当に長い目で考えたときにめちゃくちゃ大事な、
だれかの気持ちを考える想像力。
井上牧場にも、そんな気持ちをついつい忘れてしまわないように。
プレッシャーをかけていきたいと思います^^


井上牧場が今後ますます、
土、草、牛、人、
みんなのことを考える牧場でありますように!

2018年8月2日木曜日

暑くても貫く集団行動。そんな牛たちがなんだか微笑ましい。。


7月下旬、
それまで涼しい涼しいと思っていた北海道も、やっぱり猛暑となりました。

井上牧場のあります滝上町は、
北海道の真ん中より東側。
山に囲まれた盆地の地形なので、
夏は暑く冬は寒いのが特徴です。
夏には北海道でその日一番暑い場所、
冬には全国でその日一番寒い場所を記録することもあります。


というわけでここ数日も、
北海道で一番の気温をたたき出しています。。
あ、暑い…。
滝上、雪も結構降るしね…。
なんて厳しい環境なのでしょう。。


しかしそんな厳しい気候のこの場所は、
美味しい野菜が育つ環境だったりもするんですよ~。


facebookでも少し紹介したのですが、
こう暑いと牛さんたちにもかなり堪えます。
特に、スーパーハッチにおりますガンジーちゃんが、
熱中症のような状態に。。



気温が上がって2~3日、
なんだかぼーっと立ち尽くす時間が長く。。
これはかわいそうだね~ということで特別対応。


バスタオルをかけて上から水をかけて冷やしつつ、
獣医さんにみてもらって点滴。




ちなみに牛たちの点滴は大変、
「じっとしててね~」って言ってもじっとしていてくれないので、
ちょっと大きく動くと針が抜けてしまう…。
点滴をしている間の数十分~、
牧場の人間もその場を離れることができません。。。
暑いし。。


そんなガンジーちゃんでしたが、
みんなのお世話の甲斐あってやっと元気になってきた様子。
良かったね~^^
療養中、ということでここ数日は放し飼い(…??)状態になっているそうで、
先ほどは分娩房の草を元気そうに盗み食いしてました~。



もし牛の熱中症を感じたときは、
ただ水をかけるだけでなく、タオルをかけてから水をかけてあげるのがよいそうです。
そのままかけちゃうとどんどん水が流れてうまく冷えないそう。
首にアイスノンを巻いてあげたり、
ちびっこ牛のハッチの場合は地面の間にレンガを置いて高さを出してあげると空気が通って涼しいそうですよ~
(一般的に生まれてから2~3か月くらいまでの仔牛ちゃんはハッチという個別スペースで暮らすことが多いので、
熱がこもって暑くなりやすいのだそう~)
情報をくれた山下さん、ありがとうございました^^!


それから生の水よりも、6%以下の食塩水(生理食塩水というやつですね!)をあげるのがよいとのこと。



人間の熱中症の場合もだいたい同じよね、
首やワキなんかを中心に冷やして、
水よりもスポーツドリンクを飲む。
汗と一緒に必要な塩分が出てしまうから、摂取しなくちゃいけない~。


この近辺では特に同業者さんたちを中心に人気を集めております、
田村牧場の“福”シャチョーさんがかいている
たむら牧場のDairyDairy でも、近々熱中症で困った仔牛ちゃんがいたそうですが、
スポーツドリンクで対処してました!!
いつもすごく丁寧に牧場の日々を描写してくれているので、
牧場関係者さん、
牧場のこと詳しくのぞいてみたい方にぜひオススメですーー^^
(それからめちゃくちゃ写真がキレイ…!)

暑すぎる夏|たむら牧場のDairyDiary
http://tmrfarm.sakura.ne.jp/wordpress/?p=13739



※急に写真がキレイになりましたがこれはね、家畜写真家のAKAPPLE(あかっぷる) さんに撮ってもらったやつですふふふ。


ところで当牧場では放牧をしていますが、
サンクスビーフとなってもらうべく暮らしているオス牛くんと、
まだ出産をしていない若いメス牛ちゃんたちの一部は、
春に牛舎を出たら冬までそのままずーーっと外で過ごしています。


基本的に食べるものはずっと放牧場内の牧草。
(あと勝手に生えちゃう野草…届くヤツは敷地内にある木の葉っぱとか笹とかも…)
どんなに暑い日でもずっとお外。



そして彼らなんだかおもしろいなあと思うのが、
きちんと集団行動をとっているところ。
彼らが自由に動ける放牧場は3~4haほどもあるですが、
(実のところこの頭数に対しては広さが足りないのですが…)
いつもみんなで同じ場所にいます。
草を食べているときはみんなで食べているし、
なんとなく同じ方向に向かって移動しながら草を食べているし、
休むときはだいたいみんな休んでいます。



せっかく広いところで暮らしてるんだから
「自分の好きな時間に寝たり食べたりすりゃいいじゃん…。」
と思うのですが、
どうやそれは人間の感覚のようですね。
群れで行動する牛たちにとってはごく普通のことなのでしょう。
それでも、
「ほんとはお腹空いてるの我慢してるやついるんじゃないかなあ…」
とか、
「具合悪くて疲れてるのに移動の時間になって倒れちゃうやついないのかなあ…」
とか、
ついつい私目線で妄想してしまうのですが、
どうやらそこらへんはいらぬ心配の様子。。。


↓あっでもお昼寝タイムなのに草食べてるヤツもいるね!!笑


ちなみに、暑いにも関わらず、
放牧場の中で同じ場所にかたまっているのには、
虫を寄せ付けにくくする効果もあるそう。


まだ数か月ほどのお子さま牛ちゃんから、
出産を控えた2年ほどの若いメス牛ちゃん、
あと1か月ほどでお肉になってしまう30か月ほどのリーダーオス牛くんまで、
しかも白黒のホルスタイン、
茶色っぷりもさまざまのブラウンスイス、
オレンジだったりこげ茶だったりのガンジーと、
大きさから毛色まで個性的なメンバーで構成された牛群は、
なんだか見ていてほんわかします^^


ちびっことお兄ちゃん牛が仲良くしてる感じも、
見ているのすごく好き~。


人間都合で生まれ育つ「家畜」である彼らを、
ただただ自然に返すことはかえって「不自然」になってしまうのですが、
それでも、できる範囲で牛たちが自然体に暮らせる環境を用意すると、
私たちには、彼らのことがもっともっと幸せそうに見える。
それは何より、
私たちにとって価値があると思っております。


いつだって人間は自分勝手、
自分勝手の中でも多くのひとが「いいな」って思うもの、
選びたいものは、
キレイだったり、
気持ちのよいものだったりするんじゃないかしら。


だから食べたり飲んだりするお肉や乳製品は、
なんだか幸せそうに見える牛たちから頂くものだったらいいなあって、
自分勝手に考えているところ。


そしてやっと、
そんな「井上牧場のなんだか幸せそうに見える牛たち」から頂いた、
牛乳を加工・販売するまでにこぎつけました…。
とはいっても1パック5ℓと量が多すぎるのと、
受注生産が基本なので飲食店さんへの販売が主なのですが…^^;


2018年8月現在の今は札幌の BARISTARTCOFFEE さんにて、ガンジー牛乳。
(「ノンビリガンジー」と名付けてます!)
※お日にちによっては売り切れのことございますのでご注意を!



それから同じく札幌、PARCO地下2階にあります、
Dairy made みるく san では、
ブラウンスイス牛乳をそのままで、
(「ゴキゲンブラウン」と名付けています…!)
それからいろんなお母さん牛のお乳がミックスされてます
井上牧場産牛乳はソフトクリームになって、
(「ナイスブレンド」と名付けています…!)
味わってもらうことができます^^


Casochiさん(@wakuwakucasochi)がシェアした投稿 -


それとですね、
滝上町内の ホテル渓谷 さんでも、
朝食の牛乳で ナイスブレンド いれてくれています~^^
通常メニューでもドリンクメニューで登場している様子。
お立ち寄りの際はぜひ~♪


長くなってしまったので牛乳についてのお話はまた次回に…^^;!
(ちなみに牛乳はグラスフェッドオンリーじゃないですよ…!)

2017年11月24日金曜日

”アニマルウェルフェア”なお肉として1506のお肉が上京しました~!


2017年11月22日の井上牧場の放牧地の様子です。
あんなに一面緑だった畑ですが、すっかり雪で埋もれてしまいました~。


ここ何日かは雪が降ったり、気温が下がったり。
道路はツルツルだったり。
もう北海道の厳しい冬が始まっています…。


そして今年、2017年は11月8日で放牧を終了しています!


半年ほど野外で暮らしていたオス牛くんたち、
若い女子牛ちゃんたちも
これから春までは牛舎の中で過ごします。



狭い牛舎内は窮屈で退屈なのか?
寒くて広い放牧場を歩かずとも、雨風が避けられてすぐそこで食事ができる牛舎生活のほうが快適なのか?



彼、彼女たちの本当の思いはわかりませんが。
“できるだけ”牛本来の姿で暮らしてもらうために、
可能なかぎり放牧場で暮らしてもらっています。



とはいっても牛舎に戻る前の数日間は、
いつも電牧柵付近に集まっていまして。
牛舎に入りたそうにしているように見えていました…
寒いし食べる草少ないですからね~^^;




そしてこの放牧終了の次の日、
牧場を出発した牛くんがいます。

1388515063の牛くんです。



今月にサンクスビーフ、1505のお肉を
小分け販売を開始したところなのですが、
(こちらまだ販売中です^^
ご興味ある方は 井上牧場サイト|お肉のご注文 へどうぞ~!)



11月末に行われるとあるイベントにて
サンクスビーフを使いたい、とのご要望を頂きまして、
少し早いタイミングでしたが1頭出発してもらうことになったのです。




そのイベントと言うのが、
11月30日に東京の八芳園で行われる
ALL ATHLETE DREAM DINNER。





一般社団法人農福連携自然栽培パーティ全国協議会(この後は「自然栽培パーティ」と記載させて頂きます!)が主催するイベントです。



「全国の福祉施設で利用者の方に無肥料、無農薬で農業を広める」という自然栽培パーティの活動は、
今や多くの注目を集めているそう。




2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、
食材の調達基準として「持続可能性に配慮した食材」が掲げられていて、
今回のALL ATHLETE DREAM DINNERもそれを見据えた企画。




「持続可能性に配慮した食材」として、
自然栽培パーティに参加する施設で作られた野菜、
”アニマルウェルフェア”の考え方で育てられた動物のお肉を用意し、
それらを一流シェフたちが料理。
その料理を日本を代表するアスリートをはじめ多くの方に楽しんでもらうという内容です。
当日は300名~400名ほどの方が集まる様子。


詳細はコチラです↓
http://shizensaibai-party.com/wp-content/uploads/2017/10/dream-dinner-flyer.pdf


このなんだか壮大でスゴそうなディナーの食材として、
井上牧場のサンクスビーフが登場する予定です!


自然にやさしく、安心できる食材を紹介している
Eat Natural の池嶋さんがサンクスビーフを見つけてくださったことをきっかけに、
今回のディナーで使う“アニマルウェルフェアなお肉”として
井上牧場のサンクスビーフをご要望頂くこととなりました。



こんなに多くの方に、
一度にサンクスビーフを食べて頂く機会は初めて。
とてもありがたいお話です!




これは1506(赤くなっている4桁でこう呼んでいます!)くんの
出生からお肉になるまでの記録。
家畜改良センターのページから調べることができます。
1506くんは、生まれてからお肉になる前日までずっと井上牧場で過ごしていたことがわかります。


家畜改良センターHP
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html?pc



“アニマルウェルフェア”という言葉は、
まだまだ多くの方になじみがないかもしれません。


アニマルウェルフェアについて明確かつ簡潔に説明するのはちょっと難しいのですが、
日本語に直訳すると「動物福祉」。
私がいまできるだけ簡単に説明するとしたら、
「快適で、幸福に過ごせる生活環境で動物を飼育する。それについて配慮する、考える」っていう感じでしょうか。



ペットや野生動物については、
保護や愛護なんていう考え方が一般論になっているように思いますが、
自分たちが口にする肉や卵などの元になる
”家畜”と言われる動物たちの置かれる環境については、
イメージがわきにくい人も多いかもしれません。




卵を産む鶏たちは狭い「バタリーケージ」なる場所で飼育されているとか、
お肉となる子豚を繁殖させるためのお母さん豚も、狭い「妊娠ストール」で飼育されているとか、
牛乳を生産させるための牛たちも、「つなぎ飼い」だったり頭数の多い「フリーストール」だったり、これまた狭い場所で飼育されてるとか、
多くの家畜は動物本来の寿命よりかなり短い期間で命を終えることになっているとか。




鶏や豚や牛など家畜と呼ばれる動物たちの置かれる環境は、
必ずしも快適じゃなかったり、
不健康と思われる飼育方法だったり。
要するに「工場」的な環境であることも、
全部ではないけれど少なくないのが実際のところです。




↑生後31ヵ月でお肉になった1506は、すっきりした顔立ちでおだやかな印象!



”アニマルウェルフェア”の定義が結構曖昧なのですが、
これを叶えるものとして国際的に認知されている基準、目標とされているのが「5つの自由」というもの。
その5つというのが以下です。



①飢えや渇きからの自由
②痛み、負傷、病気からの自由
③恐怖や抑圧からの自由
④不快からの自由
⑤自然な行動をする自由




正直に言って、
「井上牧場がアニマルウェルフェアを実践できているか」 
については、
今のところ井上牧場が自信をもって答えたりはしないでしょう。


私からみてもこの牧場の飼育方法が必ずしもアニマルウェルフェアかは、判断できないし、
むしろまだまだ苦しい思いをさせているだろうなあ、
と感じるからです。



(せっかく「アニマルウェルフェアなお肉」として選んでもらったのにこんなことを書いたら大変なことになるでしょうか…!笑)



※↑明日旅立つ1506くんとスキンシップをとる仔牛係あみちゃん(暗いから写真ぼやぼや)


井上牧場では、
痛い思いをさせて除角(角切)をします、よっぽど大きくならないうちは麻酔しません。
サンクスビーフの雄牛くんは去勢をします、ここは麻酔をします。
お母さん牛のほとんどは年中牛舎内で過ごします。
牛乳をもらうため、牛たちの意思に関わらず人工授精をして、妊娠・出産してもらいます。
草食動物であるはずのお母さん牛たちには穀物飼料も与えます(でも彼女たちは穀物好きです)。
牛舎に戻ってきたオス牛くんたちには、美味しそうに見えているでしょう穀物飼料は与えられません。
放牧中の牛さんたちは、雨が降っても風が吹いても屋根のない外で過ごします。
牛舎も雪や風がビュービュー入り込みます。




牛たちにとって何が幸せでアニマルウェルフェアなのか、
私たちには正確なことはわからないし、
できるだけ楽しいように、苦しくないように…と思っても、
お乳やお肉を頂く牛飼いとしては、
牛たちに強いることが多くあります。

 ※↑明日旅立つ1506くんとスキンシップをとる仔牛係あみちゃん その2(やっぱり暗いから写真ぼやぼや)



それでも、
牛飼いを営む上で生まれてきた命に向き合って大切にしたい、
健康で幸せな牛たちから健康な食べ物を頂きたい、 
そんな思いから続けているのが、
「できるだけ放牧で、牧草だけ食べて育った乳牛の牧場で産まれた雄牛くんのお肉」
サンクスビーフです。



そしてそんなサンクスビーフが育った環境や背景を、
嘘のないようにお伝えすることで、
普段食べているものに興味をもってもらったり、
「食べるならこんなお肉がいい」
「井上牧場で育った牛のお肉なら安心!」
なんて思ってもらえたらいいな~と願っています。



そんな井上牧場の取り組みを”アニマルウェルフェアなお肉”として選んで頂けたことは、
素直に喜ばしいです^^



11月30日のディナー、どんな内容になるのか楽しみです!
1506のお肉を大切に美味しく召し上がって頂けますように!