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2018年10月3日水曜日

野生も家畜も「かわいそう」なのは、人が「共感」する動物だから。



なかなか秋らしくなってきたここ最近。
お天気がいいと暑いくらい暖かい日もあるけれど、
日が落ちると一気に冷え込みます。。冬が近いなあ~。
だけど秋のスッキリした空気はいい感じで、
牛たちもなんだか過ごしやすそう^^


いつものことですが、
ブログを書きだすと思考とか伝えたいこととかがあっちゃこっちゃいってしまって、
結局1つの出来事から1本のブログにまとめるのに1週間くらいかかっちゃうことが多いのです。。
なので今日の導入は先日9月26日のことから!


この日、井上牧場では牛さんのお引越しがいくつかありました。
まずは次回サンクスビーフの1579ばんを送り出すため、
放牧場へお迎えに。



声をかけるといちばんにやってきたのが彼でした、
さすが年長さん、えらいねえ~。


いつものごとく、
「すんなりついてきたらトラックにのせられてしまうんだよ…」と思いつつも、
手間がかからなくてありがたいし、
ひとなつこくてかわいらしい彼。



27日の本日、これまでの牛くんたちと同じように、
名寄の工場へ向かうトラックに乗っていきました。
と畜するのは明日。
今晩から明日のそのときまで、どんな気持ちで過ごすのかなあ。


彼のことについてはまたお肉の販売など決まったときにでも、
紹介したいと思います。


それから、出産を控えている育成牛たち数頭を放牧場へ。
井上牧場の放牧期間は雪が降るまで、なのですが、
残り僅かの秋に若いプレママ牛ちゃんたちを外で遊ばせてあげようという配慮でしょう。
(牛舎内の牛の数が減るとお掃除も楽だし…という人間の都合もあります!)


牛舎内から外へ牛たちを連れ出すときは、
いきなりたくさんの牛を一気に外まで出しません。
彼女たち、ちょっと広いところに出てくると興奮して走ったり暴れたりするので、
牧場のひとびとがケガしたり、設備が壊されたり、敷地外へ脱走するのを防ぐためです。


(この様子を北海道弁で「おだつ」と言ったりします、
なんか、調子にのってさわいだりしている、ことです笑
本当に彼女たちが調子にのってるかは不明ですが、私たちにはそう見えます!)



↑牛舎のなかから一旦外の待機場で待機してもらいます、
きちんとした鉄枠で閉めきることができるので、さわいでもちょっと安心!


この待機場に出てきただけでも「おだち」ます(そのように見える。。)。



お出かけ予定の全員が待機場に集まったら、いよいよ外へ。
いつも搾乳牛舎のお母さん牛たちが通る道を、
全8頭のプレママ軍団が走り抜けていきました…。
あまりにも早すぎてその様子は撮影できず…。
↓既に放牧場にいた男子たち、ちびっこ女の子牛たちとごちゃまぜに…
全頭で放牧場内を走り回ってました、そう、おだっています(多分)。



そしてこの頃、
たまたま「ワイルドライフ」という番組を見かけました。
この日の主役は北極の白オオカミ。
白オオカミが群れで生活するので、
おそらくナワバリの中で子育てしていた別群れのメスを見つけて、
小さな子どもを殺してしまうこととか、
同じ場所で生きるウサギやキツネ、
それからカモメやふくろうの様子。
北極には高い木がないからなのか、
カモメやふくろうは草原の真ん中に巣を作っていて、
いかにも肉食動物の餌になりそうな感じとか。



こういった野生動物のストーリーをみていると、
ついつい食べられてしまう草食動物を応援してしまうけれど、
群れの中で子育て担当だったメスオオカミがやせ細って死んでしまうシーンもあった。
そりゃ肉食動物も大変だよね。。。



食べられる方の動物だって、
食べられない方の動物だって、
どっちも「かわいそう」だって、
ついつい思ってしまいます。



野生の動物や自然を題材にした映像をみるとき、
その反対に、
いつも家畜として暮らす動物たちのこと、
井上牧場で暮らす牛たちのことを思い出します。



野生の暮らしは、自由だけれど生きるか死ぬかの厳しい世界。
それにくらべて家畜の暮らしは、
食事や寝る場所なんかはある程度確保されていて、
危険からも守ってもらえて、
安心して毎日を送ることができる、
結構いい暮らしなのかもしれません。



その代わり、と言っちゃなんですが、
家畜として生まれてきたこの牧場の牛たちは、
いつか食べられてしまったり、
何度も出産させられたり、
お乳を搾り取られたりするよね。
乳牛を飼育する酪農家では、
お母さん牛と仔牛は、産まれてから数時間の内に引き離してしまうところが多いです。
井上牧場でも、そう。



こんな状況もまた、
「かわいそう」だなって、思ってしまう。


私の使う「かわいそう」という気持ち、
国語辞典で表記されている意味とはちょっと違うのかもしれないですが、
私自身は牛たちの感情、気持ちを考えて、
「もし自分だったら…」を想像して悲しくなったときに使う言葉。
だけどそもそも、
他人の考えていることとか感覚なんてわからないし、
人間ですらない彼らの感情とか気持ちなんてわかるはずもなくて、
想像した感情や気持ちそのものが、
もう私、人間の勝手な想像でしかないんですよね~。



↓これは、昨日牛舎の中から何頭かの牛たちが放牧場へ引っ越ししたところ、
みんなまとめて走り回っている様子。
勝手なワタシは楽しそうだなって想像してます。
だってなんだか、楽しそうでしょ笑





山にいるクマとか鹿とか鳥を捕まえて食べることも、
飼育している鶏とか豚とか牛とか羊を繁殖させたり、食べることも、
全然悪いことじゃない。
むしろごくごく当たり前で、必要なこと。
だから、
命をくれる動物たちの気持ちなんて、いちいち考えることはない。



いちいち
「ありがとう」とか、「かわいそうだ」って思わなくても、
最低最悪な人間ではないです。
この世界の命はみんなつながっているからね。
誰かが誰かの命をもらって生きていて、
だから誰もが生きている。



じゃあ、
この、たとえば「かわいそう」、のような、
相手の気持ちを想像してちょっと辛くなるような気持ちがなくなってしまったら?
頂いている命のことなんて、
この世界の人たちがみんな考えることをやめてしまったら?



人間は頭がよくて、
手先が器用で、
この地球、この世界で結構大きな力をもっている。
だけどもし、
その力を好きなだけ、そのまま使い続けていたら、
きっとその内人間という種も消滅してしまうと思うんです。
(これ考えていると天空の城ラピュタとエヴァンゲリオンのこと思い出す…!)



だけどそんな人間たちが住む世界が、
今も続いていて、
この先も続いていけるとしたら、
私たちが自分ではない存在に対して、
想像力とか、感情移入できる力があるからなのかもしれないなあと、
最近考えるようになりました。


家畜として生まれて暮らす
牛たちの気持ちを全く考慮しないとすれば、
より狭い場所で、
粗末な食べ物を与えて、
とりあえず生きてさえいればよくて、
お母さん牛にはどんどん出産してもらって、
何度も何度もお乳を搾って、
妊娠できなくなったりお乳が出なくなるまで飼育して、
いつだって人間の好きなときに命を頂戴すればいい。


それでもなんとなく、
家畜たちのことを考えてしまったり、
気持ちを想像することができるのは、
人間の持つ大事な力。



経済性とか、利益のことばかり考えてしまうと
ついついおろそかになってしまうけれど、
本当に長い目で考えたときにめちゃくちゃ大事な、
だれかの気持ちを考える想像力。
井上牧場にも、そんな気持ちをついつい忘れてしまわないように。
プレッシャーをかけていきたいと思います^^


井上牧場が今後ますます、
土、草、牛、人、
みんなのことを考える牧場でありますように!

2018年9月11日火曜日

電気がないと牛乳を飲むことができなくなってしまうのかな?




2018年9月6日の未明(という時間帯でいいかしら…。午前3時過ぎ。)、
北海道で大きな地震がありましたね。
“北海道胆振東部地震”という名前になったようです。
震源地付近では大きな被害があり、
その地域で暮らす人々、その環境を思うと言葉になりません。


この大きな地震は、
この大きくて広い大地北海道全域を揺らし、
北海道全域が停電するという事態でした。
ここ、井上牧場のあります滝上町も、
地震後1日~2日ほど停電が続き、
いつもとは“少し”、違う時間を過ごすこととなりましたので、
記録、紹介しておきたいと思います。



さて、冒頭のイラスト4コマはもちろん三女あみちゃんによる作品。
ここ数日の井上牧場の1シーンを切り取ったもので、
主人公のホルスタインちゃんが体調を崩しているものの、
地震や停電による大きな影響なく、
いつもの牧場があったことも伝えています。


※なんとのんびり描かれていますが、
ホルスタイン母ちゃんは出産後から立つことができなくなっており、
もう数日経過しています。
早くよくなってくれるといいなあ。。


↓これが描かれている2頭!!



草を奪い取ってしまうガンジー母ちゃんはお産が近いので野外で過ごしていました、
本日の朝には出産が終わって新しい仔牛ちゃんが登場していました!
昨年も同じ場所で出産したガンジー母ちゃんです^^

↓産まれてきた仔牛ちゃん


↓性別チェックしている牧場作業員。
(どうやら女児らしい^^)



農業、酪農大国北海道なもので、
facebookやニュース等で今回の地震・停電の影響で
多くの酪農家が生乳を廃棄する様子が報道されたそうで、
井上牧場にも牛たちの状態や生乳の行き先を心配頂く声かけをたくさん頂きました。
ありがとうございます!


普段、こういった生産の場から遠い消費者の方が、
いつだってスーパーに並んでいる牛乳やアイスクリームやバターや生クリームが、
どんな風にそこに届いているのか
多くの人が知るきっかけになったのだなあと感じます。


そう、
牛たちを飼育する牧場の現場では、水道の水と電気が欠かせません。
(でもこれは、「現代におけるスタンダードな酪農」という前提。。。)


停電と断水が、酪農家にどう影響するのかをおさらいしてみますね。



まず牛たちはすごくたくさん水を飲むのです。
(乳牛なんてなんせ1日に20~30ℓもお乳を出す牛ちゃんも多いですからね…!)
水道から水が出ないとなると、
牛たちの数だけ遠くから水を運ばなくちゃなりません。


(関係ないけど私は牛たちが水を飲む姿も好き。。
チューチュー上手にのめるウシや、バッシャバッシャ舌ですくいとる下手くそなウシがいるよ…!)


それから搾乳するために電気が必要です、
機械を使ってお母さん牛の数だけお乳を搾ります。
井上牧場ならだいたい毎日60頭、
もっと大規模な牧場なら何百頭になることもあるでしょう。



それから、搾乳した後は、搾り終わった「生乳」が腐敗しないよう、
冷やしながら保管しなくてはなりません。
(※生乳は搾りたてのお乳、これを加熱殺菌すると「牛乳」となります!)

酪農を営む牧場には必ず、クーラーが設置されていて、
搾りたての生乳を冷却・保存します。
ここでも電気、それから水をたくさん使います。


↓ところで井上牧場は先日、故障が原因でクーラーの入れ替えをしました…
(右のクーラーが今のもの)
なんと以前の半分以下のサイズへチェンジしています^^;

(牧場作業員が大きすぎてこの前までのクーラーの大きさが伝わりにくいな…。)



以前からこのでかすぎるクーラーを小さくしたいという思いはあったのですが、
クーラーの故障により大至急入れ替えが必要だったのと、
ビンボー農家なので中古で調達してもらったことにより、
6000ℓサイズから2350ℓサイズへ…なんと以前の半分以下のサイズとなってます…!!


クーラーに保管している生乳は、
「集乳のトラック」により「乳製品加工工場」へ運ばれます。
流通が原因で集乳のトラックが動かないとか、
電気や水が不足して工場が稼働しない場合も、
牧場で保管しているクーラーの中の生乳はすべて廃棄することとなります。



↓これが集乳してくれるタンクローリー車。
我が家では"ローリーさん”と呼んでいます。


(ところで、上記のとおりクーラーの入れ替えにより、
これまでの2日に1回の集乳ではギリギリクーラーに貯めきれないことがあるので、
現在、毎日集乳してもらうという事態です…。
タンクローリーさんありがとうございます…!!)



井上牧場の場合は、
約1日半の間停電が続きましたが、断水はなし。
そして幸いにも発電機の用意があったため搾乳、クーラーで生乳の冷却と保管ができました。
さらに、普段から生乳を納品しているよつ葉工場も自家発電により稼働していたため、
いつもどおり集乳してもらうこともできました。



上記のいずれかが欠けていたら、
搾乳ができずにお乳の張った牛たちが苦しんだり、
体調を崩してしまったかもしれません。
また、生乳を廃棄することとなったでしょう。
実際にこのとおりになった酪農家さんが多くいました。


我が家において少し困ったことといえば、
発電機を回すためにトラクターが常時一台必要だったので、
牧草の収穫が滞ったこと。
それから、春からはじめた牛乳加工は工房の電力に不安があったことと
ヤマト運輸による配送ができなかったのでお休みしました。
それをのぞいては、ほぼ普段どおりの牧場でした、大変ありがたいことです。


それからトラクターを動かす軽油、
こちらも普段から自前のタンクから給油ができるので、
数日間であれば発電機を稼働することができます。
この残量が少なかったり、補給できず長期間過ごすことになったらまた大変なことになってしまいます。。


ところで、今回の停電により
多くの方が「電気がないと大変だ」って感じたと思います。
北海道より遠く離れて過ごす人たちも、
被災の様子に心を痛めて、
「電気がないと牛乳もアイスもケーキもヨーグルトもチーズも食べられないんだ」
と感じたと思います。


北海道電力の体制や、発電所の数や場所、種類について、
見直しが必要だと考える人もいるでしょう。


でも私が感じているのはちょっと違って、
「どれだけ普段たくさんの人がたくさん電気に依存して暮らしているんだろう」
ということのほうです。


本当にそんなに毎日ずーーっとたくさん電気が必要なのかな。
365日24時間、国が用意してくれるライフラインに頼りきっている暮らしって、私は不安だわ。
そんなことを改めて考える停電の時間でした。


牧場に関していえば、
電気がないと困った状況になるのは、
「たくさんの牛」を飼育していて、
「たくさんの生乳」を生産して、
「遠く離れた工場」で加工しているからです。



もし、
搾乳するべき牛たちが10頭くらいだったら、
家族何人かで手分けしてお乳を搾ってあげられたかもしれない。
とれた牛乳はせいぜい1日200ℓくらいで、
近くの人たちと分けたりして消費したかもしれない。
自家製の野菜と一緒に煮込んでシチューにして食べたかもしれないし。


だけど、
どうしてだか昔のように小頭数の牛を飼う農家はほとんどいなくなってしまいました。
同じ場所にたくさんの牛を集めて、
たくさん機械を使って、
たくさんの牛乳を効率よく生産することで、
「安くてたくさんの牛乳を流通させたい、そうしてほしい」と世間が考えたからだと思います。


電気がないと牛乳を頂くことができないのは、
今、そういう社会の仕組みの中で生きているから。



ちなみに井上牧場のような農村での暮らしは、
数日間の停電くらいでは生活がパニックになることは少ないと思います。
野菜や卵、牛乳、お肉を生産している農家さんが近くにいて、
自家菜園で野菜をつくっている人も多いし、
スーパーやコンビニが歩いていけない距離だから、
なんとなく食材は家にたくさん確保していたりする。
特に北海道には極寒の冬があって、
大雪や吹雪で家を出れない日があることも背景かもしれない。
ちなみに井上さんちの場合は冬になると薪ストーブを使っていて、
ひと冬を充分に越せる量の薪を蓄えているから、寒くてもどうにかなる。


みんながこんな暮らしをしていなくても、
近くの場所でこんな暮らしをしている人と友達になっていたら、
そこに避難することもできるかもしれない。


それからちなみに、
この地域では数十分~数時間の停電が起こることってわりとしょっちゅうある…。
今年に入ってから2~3回はあったような気がします。
(それもどうかと思う人もいるかもしれないけど…)
(住人はもう慣れているから大丈夫…)
(さすがに今回の停電は1日以上と長かったので困ったと思うけど…)



だから私次女はこのたびの停電の間も、
たいして不安になることなく、
のんびり穏やかに過ごすことができました。
実は私、
できるだけどんなときも心配なく過ごせる環境で暮らしたくて、
北海道の実家である滝上町の井上牧場に戻ることを選択しまして、今の生活があります。



↓毎年たくさんのお野菜を育ててくれるばあちゃんにとても感謝…!
そろそろ自分でも自家菜園覚えなくては…



今回を機に、
災害への備えを見直して、
日常のありがたみを感じた人が多いことでしょう。
災害はいつどこで起こるかわからないものです、
電気やガスや水道がいつでも整っている状態を願い、要求し続けるより、
災害時にどうしようもなくなってしまう現状のライフスタイルを見つめなおす機会になってくれたらと思います^^



何はともあれ、
停電の夜の星空は本当にキレイでした。。。
同じ星空が、大都市札幌の真ん中でも見られたのだと思うとなんだか不思議です。
本当に宇宙は広いなあ~。
ちなみに写真は撮ってません…!
肉眼で見る方が絶対にキレイだからね…!!



↓以下は停電の日の夜の自宅内と炭焼きピザ。
どんな状況でも楽しく過ごすワザと心持ちはすごく大事。





2018年8月2日木曜日

暑くても貫く集団行動。そんな牛たちがなんだか微笑ましい。。


7月下旬、
それまで涼しい涼しいと思っていた北海道も、やっぱり猛暑となりました。

井上牧場のあります滝上町は、
北海道の真ん中より東側。
山に囲まれた盆地の地形なので、
夏は暑く冬は寒いのが特徴です。
夏には北海道でその日一番暑い場所、
冬には全国でその日一番寒い場所を記録することもあります。


というわけでここ数日も、
北海道で一番の気温をたたき出しています。。
あ、暑い…。
滝上、雪も結構降るしね…。
なんて厳しい環境なのでしょう。。


しかしそんな厳しい気候のこの場所は、
美味しい野菜が育つ環境だったりもするんですよ~。


facebookでも少し紹介したのですが、
こう暑いと牛さんたちにもかなり堪えます。
特に、スーパーハッチにおりますガンジーちゃんが、
熱中症のような状態に。。



気温が上がって2~3日、
なんだかぼーっと立ち尽くす時間が長く。。
これはかわいそうだね~ということで特別対応。


バスタオルをかけて上から水をかけて冷やしつつ、
獣医さんにみてもらって点滴。




ちなみに牛たちの点滴は大変、
「じっとしててね~」って言ってもじっとしていてくれないので、
ちょっと大きく動くと針が抜けてしまう…。
点滴をしている間の数十分~、
牧場の人間もその場を離れることができません。。。
暑いし。。


そんなガンジーちゃんでしたが、
みんなのお世話の甲斐あってやっと元気になってきた様子。
良かったね~^^
療養中、ということでここ数日は放し飼い(…??)状態になっているそうで、
先ほどは分娩房の草を元気そうに盗み食いしてました~。



もし牛の熱中症を感じたときは、
ただ水をかけるだけでなく、タオルをかけてから水をかけてあげるのがよいそうです。
そのままかけちゃうとどんどん水が流れてうまく冷えないそう。
首にアイスノンを巻いてあげたり、
ちびっこ牛のハッチの場合は地面の間にレンガを置いて高さを出してあげると空気が通って涼しいそうですよ~
(一般的に生まれてから2~3か月くらいまでの仔牛ちゃんはハッチという個別スペースで暮らすことが多いので、
熱がこもって暑くなりやすいのだそう~)
情報をくれた山下さん、ありがとうございました^^!


それから生の水よりも、6%以下の食塩水(生理食塩水というやつですね!)をあげるのがよいとのこと。



人間の熱中症の場合もだいたい同じよね、
首やワキなんかを中心に冷やして、
水よりもスポーツドリンクを飲む。
汗と一緒に必要な塩分が出てしまうから、摂取しなくちゃいけない~。


この近辺では特に同業者さんたちを中心に人気を集めております、
田村牧場の“福”シャチョーさんがかいている
たむら牧場のDairyDairy でも、近々熱中症で困った仔牛ちゃんがいたそうですが、
スポーツドリンクで対処してました!!
いつもすごく丁寧に牧場の日々を描写してくれているので、
牧場関係者さん、
牧場のこと詳しくのぞいてみたい方にぜひオススメですーー^^
(それからめちゃくちゃ写真がキレイ…!)

暑すぎる夏|たむら牧場のDairyDiary
http://tmrfarm.sakura.ne.jp/wordpress/?p=13739



※急に写真がキレイになりましたがこれはね、家畜写真家のAKAPPLE(あかっぷる) さんに撮ってもらったやつですふふふ。


ところで当牧場では放牧をしていますが、
サンクスビーフとなってもらうべく暮らしているオス牛くんと、
まだ出産をしていない若いメス牛ちゃんたちの一部は、
春に牛舎を出たら冬までそのままずーーっと外で過ごしています。


基本的に食べるものはずっと放牧場内の牧草。
(あと勝手に生えちゃう野草…届くヤツは敷地内にある木の葉っぱとか笹とかも…)
どんなに暑い日でもずっとお外。



そして彼らなんだかおもしろいなあと思うのが、
きちんと集団行動をとっているところ。
彼らが自由に動ける放牧場は3~4haほどもあるですが、
(実のところこの頭数に対しては広さが足りないのですが…)
いつもみんなで同じ場所にいます。
草を食べているときはみんなで食べているし、
なんとなく同じ方向に向かって移動しながら草を食べているし、
休むときはだいたいみんな休んでいます。



せっかく広いところで暮らしてるんだから
「自分の好きな時間に寝たり食べたりすりゃいいじゃん…。」
と思うのですが、
どうやそれは人間の感覚のようですね。
群れで行動する牛たちにとってはごく普通のことなのでしょう。
それでも、
「ほんとはお腹空いてるの我慢してるやついるんじゃないかなあ…」
とか、
「具合悪くて疲れてるのに移動の時間になって倒れちゃうやついないのかなあ…」
とか、
ついつい私目線で妄想してしまうのですが、
どうやらそこらへんはいらぬ心配の様子。。。


↓あっでもお昼寝タイムなのに草食べてるヤツもいるね!!笑


ちなみに、暑いにも関わらず、
放牧場の中で同じ場所にかたまっているのには、
虫を寄せ付けにくくする効果もあるそう。


まだ数か月ほどのお子さま牛ちゃんから、
出産を控えた2年ほどの若いメス牛ちゃん、
あと1か月ほどでお肉になってしまう30か月ほどのリーダーオス牛くんまで、
しかも白黒のホルスタイン、
茶色っぷりもさまざまのブラウンスイス、
オレンジだったりこげ茶だったりのガンジーと、
大きさから毛色まで個性的なメンバーで構成された牛群は、
なんだか見ていてほんわかします^^


ちびっことお兄ちゃん牛が仲良くしてる感じも、
見ているのすごく好き~。


人間都合で生まれ育つ「家畜」である彼らを、
ただただ自然に返すことはかえって「不自然」になってしまうのですが、
それでも、できる範囲で牛たちが自然体に暮らせる環境を用意すると、
私たちには、彼らのことがもっともっと幸せそうに見える。
それは何より、
私たちにとって価値があると思っております。


いつだって人間は自分勝手、
自分勝手の中でも多くのひとが「いいな」って思うもの、
選びたいものは、
キレイだったり、
気持ちのよいものだったりするんじゃないかしら。


だから食べたり飲んだりするお肉や乳製品は、
なんだか幸せそうに見える牛たちから頂くものだったらいいなあって、
自分勝手に考えているところ。


そしてやっと、
そんな「井上牧場のなんだか幸せそうに見える牛たち」から頂いた、
牛乳を加工・販売するまでにこぎつけました…。
とはいっても1パック5ℓと量が多すぎるのと、
受注生産が基本なので飲食店さんへの販売が主なのですが…^^;


2018年8月現在の今は札幌の BARISTARTCOFFEE さんにて、ガンジー牛乳。
(「ノンビリガンジー」と名付けてます!)
※お日にちによっては売り切れのことございますのでご注意を!



それから同じく札幌、PARCO地下2階にあります、
Dairy made みるく san では、
ブラウンスイス牛乳をそのままで、
(「ゴキゲンブラウン」と名付けています…!)
それからいろんなお母さん牛のお乳がミックスされてます
井上牧場産牛乳はソフトクリームになって、
(「ナイスブレンド」と名付けています…!)
味わってもらうことができます^^


Casochiさん(@wakuwakucasochi)がシェアした投稿 -


それとですね、
滝上町内の ホテル渓谷 さんでも、
朝食の牛乳で ナイスブレンド いれてくれています~^^
通常メニューでもドリンクメニューで登場している様子。
お立ち寄りの際はぜひ~♪


長くなってしまったので牛乳についてのお話はまた次回に…^^;!
(ちなみに牛乳はグラスフェッドオンリーじゃないですよ…!)

2018年4月30日月曜日

2018年4月、今年も井上牧場では放牧をはじめました^^




今年も井上牧場では牛たちの放牧をはじめました!
放牧場へ出かけていった牛たちは、
おのおの好きな場所をうろうろしたり





草を食べたり




座って休んでみたり。
なんとものんびりとしていて、
幸せそうに見えます!




井上牧場には総勢100数十頭の牛さんたちが暮らしておりますが、
その内、この日放牧場へと出かけていったのは
サンクスビーフとしてここを出ていく予定のオス牛くんと、
出産をしていないメス牛ちゃんたち。




なんだかハッピーな放牧スタートイベントですが、
実はこの作業、人手も必要だし、結構気を使います。



日本語で丁寧に段取りを説明することができない牛さんたちに、
今日は移動の日であることや、
牛舎から放牧場への移動ルート、
電気柵から出ないようにっていうルールなんかを伝えることはできません。
牛たちがパニックしたり興奮しすぎたり、
あるいは喜びすぎたりして好き勝手に走り回ると、
彼らが敷地の外に出ていってしまいます。
何百キロもある大きな体の牛さんを、
数十キロしかない人間がコントロールするのはとても困難なことなのです。




↑まずは牛舎から外の通路、待機場まで誘導します。
実は牛さんたち、外にでたらテンションがあがってしまうのか、
この時点で既に飛び跳ねたり走り回ったりしはじめます…。


↓この動画のように…。





そのため、
牛舎から直接放牧場に誘導せず、一度待機場まで出てもらって一呼吸。
また、全頭を一気に誘導することはしません。
数頭ずつ、何度かに分けて放牧場へと連れていきます。


それから、去年にも放牧場で過ごしたことのある牛さんの方が、
スムーズに移動してくれます。


↓このグループは駆け足しながらも上手に放牧場へ移動してくれました~^^






少しずつ、
放牧場がなんだか華やかに。
それぞれが個性的すぎる牛さんだらけなのもまた、
井上牧場の個性…。





この、放牧場への誘導の際に、
自分勝手すぎる牛さんがいると、
コースを外れて逃げ出したり、
電気柵をぶち壊してしまったりと、
結構な面倒が起こります。。。



↓動画31秒頃に向こうから走ってくる黒い牛さんは、
思ったとおり誘導したかった線に飛び込んでブチ切りました…。





その後もうまく放牧場まで進んでくれないので、
一旦スーパーハッチの運動場で待機させることに。





一呼吸おいてから、
ちょっと遅れてひろい放牧場へと出かけていきました~。


↓次の日にはもう、このとおり。
放牧場のなかを楽しそうにお散歩してました^^



放牧するときに事件が起こらないようにするポイントは、
「牛たちが電牧(電気牧柵)を知っているかどうか」にあります。


↓電牧はこの写真の手前にある線のこと。
触ると電気が流れます。



電牧に触ったことがある牛は、
電牧に触るとビリっときて嫌だったことを覚えていて、
ここを突っ切って脱走することはありません。
そのため、以前に放牧に出ていたことがある牛たちは放牧場に出ても結構安心なのです。



反対に、これを知らない牛たちは興奮にまかせて電牧に突っ込み、
牧場主や作業員たちによる必死の準備を台無しにします…。
牛たち逃げ放題状態になってしまう大惨事が起こります…。



だから、電牧でスペースを区切るときは、
「牛たちが電牧を知っている」こと、
つまり
「牛たちが電牧を触ったことがある」ことが重要。



牧場の人たちは、
初めて電牧のあるスペースに出る牛さんが、
既に電牧に触ったかどうか見張ります。



↓放牧開始の同じ日、スーパーハッチでも電牧柵で仕切る運動場を開放しました。



↑この彼女は初めて電牧に対面しています。
この後無事に電牧に鼻をつけて、ビリっときて驚いていました。
牛ちゃんにとってはかわいそうですが、
牧場の人たちにとっては大成功、安心です。
なのでその後はおとなしく、運動場の中で自由に過ごしています^^



来年以降、放牧のタイミングがあったときにも、
スムーズに出ていけるかもしれませんね~!




そんなわけで、今年も井上牧場でも放牧風景が見られるようになりました。
緑の上、木々の合間をのびのびと、
歩いたり走ったり食べたり座ったり眠ったりする姿を眺めていると、
すごく気持ちよいです。
牛さんたちとは話せないけど、
たぶん彼ら、彼女たちも気持ちいいと思う。
だってなんかそんな顔に見えるもの。
全部勝手な主観ですけどね…!



この後はお母さん牛たちも(全員じゃないけど…!)放牧を始めるそう。
おばちゃん牛たち、きっと喜ぶだろうな~。
楽しみ楽しみ!!