2017年2月16日木曜日

1418号はおとなしくてマイペースな牛くんです!

 
 
 
 
本日、2月16日にもまた、
井上牧場を出発した牛くんがおります。
 
 
 
 
耳につけた番号は、
1382614182」番。
耳標のなかで大きく表記されている4ケタは1418。
 
 
2014年5月7日生まれです。
月齢なんと33ヶ月…!
 
 
 
井上牧場の「サンクスビーフ」は、
26ヶ月以上のオス牛のお肉なのですが、
ずいぶん長いこと井上牧場で過ごしてたみたい^^;
 

 
 
本日、屠畜場へ出発したので、
実際にお肉になるのは明日の予定。
1418号のお肉が井上牧場に戻ってくるのは、
来週頃になると思います!
 
 
 
1418号は、マイペースでおとなしいやつです。
それから、写真が嫌いなのか、
なかなかカメラを見てくれません…。
(もしくは私次女のことが嫌い…!?笑)

 
 
 
 
 
井上牧場の男の子牛くんたちの多くは、
人が好きなのか、
カメラも好きなのか、
私次女が様子を見に行くとだいたい顔を出してくれる子が多いです。
 
 
 
前回出発した1419号も写真が好きだし、
 


1418号がいなくなって一番年長になった1493号も、
牛舎や放牧場へ顔を出すとすぐ挨拶にきてくれるし、
カメラ目線もくれます!



 
 
1418号とはなかなか目が合いません。
シャイなタイプなのかもしれないですね~^^
 
 
 
目が丸っこくて、鼻が大きいのも特徴的です。
結構黒い毛色に見えますが、
ちゃんとブラウンスイスです~^^;!
 
 
 
ほかのみんながどうとか関係なく、
好きなときに草を食べて、
好きなときに休んでるような牛くんです。
 
 
 
 
写真中央が1418号^^
 
 
 


今日の朝、
1418号は牛舎の外で、
お迎えのトラックを待っていました~。


スムーズに乗り込んでもらえるように、
1418号だけ牛舎の外に連れ出していたようです。




今日ここを出ていくことを知っているのかいないのか。
いつもと違う環境にびっくりしているのか怒っているのか。


声を出しながらうろうろと行ったりきたりして、
落ち着かない様子。


うん、ちょっと怒った顔に見えます。





そりゃ嫌だよねえ、
せっかく毎日楽しく生きていたのに。
まだ今年の分の放牧も楽しんでいないのに~。



ごめんよ、1418号。。



私がこうして、
これからお肉になってしまう牛さんのことを伝えたいと思うのは、
食事は命を頂く行為だってことを、
食事をするみなさまに思い出してほしいから。



毎日毎日、
たくさんの命が生まれたり消えたりしてることを、
身近に感じてほしいから。



「食べるもの」は、
最初からおにぎりでもなければサンドイッチでもなく。
オムライスでもハンバーグでもなく。
焼肉でもスパゲティでもしょうが焼きでもないことを、
忘れないでほしいからです。



 
サンクスビーフの素敵なところは、
「できるだけ放牧で自由に、
草を食べて育った健康な牛さんのお肉」
であることはもちろんですが、
 
 
 
 こんな顔した、
こんな性格の、
こんな生活をしていた牛さんだったのね」
って、
思いながら食べることができるお肉だというところ。


そんな風に思ってます^^

 
 
 
 ↓下の写真は、昨日撮影した
大人のオス牛くんクラスの集合写真。
 
 


1418号ありがとうね^^
 
 
というわけで、
次回のサンクスビーフはこんな牛くんのお肉。
1418号の大切なお肉、
おいしく食べてもらえますように^^
 




2017年2月7日火曜日

2月6日の朝の仕事@井上牧場

 
 
いつもなら布団から出ずに
新人作業員(夫)を見送る私次女ですが、
たまには早朝のお仕事風景も撮影しておかねばな~
と思いまして。
 
 
 
眠くて寒いですが頑張って起床しまして、
井上牧場の様子を見て参りました~。
 
 
 
 
時間はAM6時頃。
明るくなりはじめてはいますが、まだ日の出前です。
 
 
 
 
2月6日の朝は天気が良く、
気温は-18℃ほどでした~。
しばれる~。
 
 

ところで私のこの日の装備はコチラ。
北海道オホーツク方面などなど、
氷点下20℃超えの地方にお越しの方はご参考になればと思い、
ここで紹介してみます!
 
 


上半身はインナー2枚
(もちろんヒートテック&裏地付きのやつ)
スウェット1枚に、
モコモコのパーカーと、
ユニクロダウンと、
大きいモッズコート。

下半身はロングのインナーに、
パジャマ用スウェットに、
裏地付きのズボン。

靴下は3枚。
帽子。
ネックウォーマー。
手袋は2枚。



冷え性の私はこの装備で1時間弱、
写真を撮りながらうろうろできたと思います。
(まだ真の道民スタイルには不足しているのかもしれませんが…
どうでしょう。。)


あ~寒かった。。。





もちろんどんなにしばれても、
大人の牛さんたちは自分の毛皮1つです。

どいつもこいつもヒゲが凍っててかわいい~^^






なかには耳毛まで凍っちゃってる子もいます。





髪の毛(?)まで凍っちゃってる子もいます!




もちろん仔牛ちゃんのヒゲも凍っちゃってます。
何歳でもおヒゲが生えているのね~





そういえば近頃、北海道の豊頃町にある大津海岸に現れる
「ジュエリーアイス」なるものが美しすぎる!
という話題を目にしたのですが、


何やらジュエリーアイスみたいなものが
ハッチ前にコロコロと転がっているのです。


↓※前日、2月5日の日中に撮影したもの!



この、北海道の牧場に現れるジュエリーアイスの正体は
コレです。






仔牛ちゃんの水飲みバケツでした…!
(凍ってるから水飲めなくてかわいそう~…)
ハッチの1つずつに
水を入れるバケツを設置しているのですが、
冬になると凍ってしまうようです。

 
 
 

凍ったバケツをお湯につけて外側を溶かして、
放り投げられてできたのが牧場のジュエリーアイスです。




真冬のお仕事は1つ1つの作業に時間がかかって大変です!


さてさて、
毎朝まず始めるお仕事が牛舎内のお掃除。




井上牧場の場合は、
「ベッド」になっている1段高いスペースから、
ベッドより低くて通路になっているところにうんちを押し出します。


これは手作業で行います。
そして冬はうんちがしばれて凍ってしまったりするので、
かきだすのが大変そうです。





たくさんあるベッドのうんちを通路に落としたら、
「ジョブサン」なる機械でうんちを押し出していきます。


井上牧場ではこの作業をなんと
静子ばあちゃん(今年80)が
こなしてくれていたりします…!
(誰もが認めるスーパーばあちゃんですが、
頼りっぱなしで心配…!)





この通路が2つあるので、
2回繰り返します。
先に奥の通路を掃除して、
その後にエサ置き場に近い手前の通路を。
 




今現在、井上牧場のお母さん牛用牛舎では、
搾乳中の「A群」と「B群」、
「乾乳(つまりお乳絞りをしない時期の牛さん)」
という3グループが生活しています。





普段は仕切りで3グループを分けているのですが、
この除糞(お掃除)作業のときは仕切りを外して、
ジョブサンを牛舎内に入れなくてはいけません。





ジョブサンで除糞をしている間に
グループの違う牛さんたちが混ざったり、
仕切りを外している内に外に脱走しないように、
注意しながら除糞作業をします。




徐糞作業がだいたい終わる頃、
朝の搾乳が始まります。



牛舎の奥側にパーラーと呼ばれる
搾乳スペースがあるので、
まずはA群の牛さんたちには待合室のような場所に
移動してもらいます。



↑この奥に2つほどパーラーへ入る扉があります。
一番左奥に見える入り口は搾乳を終えた牛さんが
いつものフリースペースに戻るための通路です。
伝わるかしら。。



待合室ゾーン、
最初はちょっと狭そうですが、
搾乳が進んでいけば牛さんが減って広くなっていきます。




この「搾乳」も、
早く終わらせたいヤツ
最後の方がいいヤツとか、
好みには個「牛」差があるらしいのも面白いところ。
そのお話もいずれ紹介したいです!



除糞が終わるのを待っている牛さんの荒い鼻息が
ホカホカで白くなっています!




あっちの扉を閉めたり、
開けたり、
また閉めたり。


牛たちとの距離が近い作業です。
舐めたり、後ろをついて歩く牛もいます。
スキをみて脱走しようとするヤツもいます。
用心して取り組みましょう!





冬は、この大量のうんちもしばれて凍り付いてしまうので、
ジョブサンでもスムーズに押し出せないことがあります。


そのため、夏場よりゆっくり、
慎重に掃除しているように見えました!




集めたうんちもホカホカで、湯気が立っています。


たくさんうんちの写真を載っけてしまいすみません…!
でもすぐにしばれついて硬くなるので、
夏場のどろどろうんちより清潔感があります…!





うんち置き場に運びます。
この、カラスたちのいるあたりは
タイヤの跡がありますがぜんぶうんちです…!


しばれて凍っているのでうんちの上も車両が走れたり、
人が歩けたりしちゃいます。


夏ならうんちに埋もれて THE END …
サヨナラ長靴…
なんてことになります。




私次女はこのうんちの山を見ていると、
幼少時代に姉妹3人で牛舎周りで遊んでいて、


うんち置き場に足を踏み入れ埋もれていった三女あみちゃんを、
長女と必死に引っ張ったことを思い出します。


あのときは三女が本当に
うんちの中に沈んでしまうんじゃないかと
とても焦りました…


ただ片方の長靴は救出できずだった気
がします。

サヨナラ長靴です…。





真冬のうんちは汚い感じが少ないし、
ニオイもしないのはGOODです^^


そして、この除糞なるお掃除作業を、
夕方にも行います。
牛さんがたくさんいるほど
毎日たくさんのうんちが蓄積されますが、
畑の肥やしとなる「堆肥」として活用できるのも、
「牛飼い」という生き方が
循環型で、持続可能なライフスタイルと
言える理由の一つかなと思います。




そしてこの季節に写真を撮ると悩むのが、
バッテリーの持ちが悪いこと…。


気温が低すぎて、
充電がすぐに切れてしまうのです。




ちなみにスマホもすぐに電池切れになります。


私次女の使うiphone6sも、
この気温では大変動きが鈍く、
電池もすぐ切れます…。


そもそも素手で画面を触るのが嫌なので、
真冬は写真を撮るのが何かと億劫になりがち。

 



でも、寒くて辛いけど、
やっぱりこの季節にしか出会えない
キレイな世界があるんです。



うん、しばれる日はウツクシイ!
 



そしてAM7時頃、
ようやく日が昇ってきました。




北見富士も見えました~^^



牧場の朝の仕事はまだまだ続きますが、
もうバッテリーも切れたし、
私も寒すぎるのでこの日はここまで…!
(牧場作業中のみなさまごめんなさい)



真夏でも真冬でも、
休みなく牛たちのお世話をして
お乳を搾る牧場さんに感謝。
もちろん当然牛さんにも感謝。



自然の中で、
季節を感じながら過ごす牛飼いという生き方は
とっても豊かでステキなのです。