今年の北海道の冬は本当に早いです!
11月の1週目にして、
そこら中が一面雪景色。
そんな一面雪景色になる少し前、
井上牧場に、「とてもカッコイイきこりさん」が木を伐りにきてくれました。
きてくれたのは、フリーのきこり、足立成亮さん。
「out woods」として旭川を拠点に、北海道の山や森で活動しています。
今の社会では、大多数の人から「普通」と思われている生活をしていると、
「きこり」や、山の仕事、森の仕事と聞いても、
あんまりピンとこないと思うのです。
たくさんの山に囲まれた場所で生まれ育った私ですら、
山や森林自体は身近ではあっても、
「林業」「きこり」と言われても、
具体的な役割や作業の内容はイメージはなかなかできず。。
だからここ数日は、
多くの人に身近ではない「きこり」のことや、
out woodsさんのことをお伝えするべく、
山のこと、森のこと、木のことについて考えていたのです。
「きこり」は、
(「木こり」とか、「樵」とか、「木樵」と書いたりするようです)
林業に関わるお仕事です。
一般的に林業と言うと、
木材を生産する一次産業のことを意味するようです。
木を伐るのはもちろん、
山から木を運び出すために道を造ったり、
良い木材にするために間伐や枝打ちなどのお手入れをしたり、
木を伐った後は植林することでまた木材が生産できるようにしています。
でも、out woodsが目指すのは「木材の生産」だけではない様子。
out woodsの薪販売フライヤーに書かれている文章がステキでカッコイイので、
そのまま書かせて頂きます。
ーーーーーーーーーーーーーー
北海道のほとりで働く、生活する、遊ぶ
がコンセプトの❝きこり❞たち
「林業」から「森遊び」まで
森林作業道開設・間伐・丸太生産
里山の整備、地域と森の景観づくり
薪の販売、薪ストーブのある生活へのアドバイス
森でのアクティビティ、イベントなど・・・。
日々ヤマにいる❝きこり❞達のセンスで
山を糧に生き、遊ぶこと
そんなことを伝えていきたいと思っています。
ーーーーーーーーーーーーーー
…とってもカッコイイ!
足立さんが初めて林業の仕事に就いたのは、ここ滝上町だったそうです。
その頃は井上牧場のある滝上町滝下で暮らしていて、東旭川で活動をしている今でも、
足立さんに「きこり」のお仕事をお願いしています。
ちなみに足立さんは写真家さんでもあります。
足立さんやout woodsさんのfacebook、instagramで公開されている写真はとにかくカッコイイです。
多くの人からはあまり身近に感じられず、イメージのつきにくい「きこり」「林業」の姿を写真にして伝えてくれます。
そこにいる人がそこにあるものを撮るリアルさとか、
遊び心のある柔らかい色とか。
「きこり」や「林業」や「森林」を知らない人たちを惹きつける写真ばかりです。
out woodsさんfacebookページはコチラ です~^^
https://www.facebook.com/outwoods/?fref=ts
足立さん情報を探していたら、
canonのデジカメ、
PowerShot G3Xのスペシャルサイトにも
足立さんの写真と記事が登場してました~、ビックリ!
http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/g3xsp/detail10/
というわけで私なんぞが撮影した素人な写真をはさみつつ、
out woodsさんのこと書くなんて
誠に恐縮なのですが…。。
ご勘弁よろしくお願いします…笑
この日、きこりの仕事をお願いした場所は、井上牧場では「川向い」と呼んでいる畑。
牛さん用のとうもろこしである、デントコーンを植えていました。
井上牧場の放牧場の奥には渚滑川が流れているのですが、
この川を挟んで反対側にある畑です。
周辺の木がかなり大きくなってきて枝も畑作業の邪魔になるし、
すぐそこに流れる川の氾濫でガケ崩れが進めば畑も減ってしまいます。
大きな木が流されるのは危険だし、
井上さんちで使う薪になるのにもったいない。
そんなもろもろの事情により、整備をお願いしたようです。
伐り倒されているのはもちろん、
この日足立さん伐ってくれた木。
↓この大きいのは、センの木だそうで(た、たしか…)
半シーズン分ほどの薪になるよ~とのこと。
北海道の寒い冬を乗り越えるための、
ありがたいエネルギー源。
井上さんちのメイン暖房は、この薪ストーブ。
「薪ストーブ」というと、セレブな豪邸にあるようなでっかくてオッシャレな暖炉のようなストーブをイメージされるかもしれないけれど、我が家のストーブはこんなやつ。
薪の火は、ビックリするほどあったかいのですよ~。
いろんな木でできた薪が積みあがっている感じも、それだけでほっこりします。
薪を作ったり運んだり、いちいち火をつけたりするのは面倒でも、
山が近い場所で暮らすなら自分で調達することができるエネルギー源があるのは、
とても自由なことと感じています。
今回のように、山や畑を手入れする中で伐り倒した木だったり、
より良い木を育てるために必要になる「間伐」で伐った木だったり。
どこか遠い場所から資源を買わなくても、近くにあるものを利用するのが、自然な生活のはずなので、
私は薪が好きです~^^
木を伐るときは、
木材として使えるように倒れた木が傷つかないように、
運搬しやすいように、
そして危険がないように、
決めた方向へ倒さなくてはいけません。
ちょうど、結構大きめな1本の木を伐倒するところに立ち会えたので、
その流れをお伝えしますね!
(私が遠目から見た感じと写真、映画やサイトなどで調べた素人解説ですよ…!)
まずは「受け口」なる三角の切り口を、木を倒す方向につくります。
続いて、受け口の反対側、少し高い位置に「追い口」なる切り口をいれます。
「追い口」側には、大きい木や、重心などによって「くさび」を使うそうです。
くさびを打ち込んでからさらに「追い口」に伐りこみを入れて、
くさびを叩きます。
「受け口」を作り始めてからここまでは、ほんの3分くらいの出来事で、
くさびを叩いて気づいたら倒れてました…
職人技です!
木を伐ったらそれで終わりではなく、「枝払い」も必要です。
井上さんちの場合は薪ですが、木材として使いやすく、運搬もしやすいよう、
枝は落として丸太の形にしてくれます。
昔は斧で少しずつ伐り倒してたきこりの仕事ですが、
現代の林業では、チェーンソーどころかもっと大きな林業用機械を使って、
もっと簡単で安全に林業をしているケースも多いよう。
でも、足立さんはこうして、チェーンソーを使って木を伐る、山の仕事が好きだと言います。
地球温暖化やら、
熱帯雨林の砂漠化やらで、
山、森林、木々の緑の重要性は多くの人が知っていることでしょう。
でも、
日本にはたくさんの森林があるのに日本で使う木材の8割は輸入しているということや、
林業の採算が合わせにくいことから人工林や里山が放置され、
台風や雨の影響を受けやすくなったり、
もちろん生態系への影響もあること、
あるいは、
たくさんあるからといって木をどんどん伐って売る大量消費の林業ももちろん
山を廃れさせてしまうってことなど、
山や森林をとりまく課題は多い様子。
人口が増えたとか、
格差社会だとか、
地球環境が危ういとか、
さまざまな問題に直面している、と言われている現代で、
「持続可能な」生活、暮らし方が模索されておりますが、
何十年、100年先を見据えて森林と向き合う「きこり」という生き方は、まさにナウい選択なのかもしれません。
足立さんの言う、
「シゴトとアソビのあいだ」
「ヤマとマチのあいだ」
「職業というよりはライフスタイルであること」
という表現に、強く共感しておりまして。
暮らしの中の仕事だったり、
仕事そのものが生活だったり。
仕事の中に、たくさんの「生きている感じ」と「楽しい」があったり。
多くの人が、そんな生き方ができたらいいなあと思っており。
それがいわゆる、
「ワークライフブレンド」
とかいう働き方なのかもしれません。
畜産業や農業などの一次産業、
都市部よりも地方での暮らしが、
そんな生き方をより体現しやすいだろうなあと思っております。
その中でも、「きこり」は、
いつも森林の中に身を置いて、
土を踏んで山と木と向き合って、
自分の寿命より先の未来を目指す生き方。
…カッコイイ。
足立さん、out woodsさんについては、以下書籍&サイトもチェックしてみてくださいね~^^
https://www.facebook.com/outwoods/
・森ではたらく!27人の27の仕事
「森を写す人」
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1339-9.htm
・Canon PowerShot G3 X スペシャルサイト
林業家 足立成亮 ×東鷹栖界隈の森林/北海道
「森と生きる、森で生きる」
http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/g3xsp/detail10/
・飛生芸術祭 / TOBIU CAMP
CAST
http://tobiucamp.com/
足立さーーん、
またお待ちしてまーーす^^