2018年9月11日火曜日

電気がないと牛乳を飲むことができなくなってしまうのかな?




2018年9月6日の未明(という時間帯でいいかしら…。午前3時過ぎ。)、
北海道で大きな地震がありましたね。
“北海道胆振東部地震”という名前になったようです。
震源地付近では大きな被害があり、
その地域で暮らす人々、その環境を思うと言葉になりません。


この大きな地震は、
この大きくて広い大地北海道全域を揺らし、
北海道全域が停電するという事態でした。
ここ、井上牧場のあります滝上町も、
地震後1日~2日ほど停電が続き、
いつもとは“少し”、違う時間を過ごすこととなりましたので、
記録、紹介しておきたいと思います。



さて、冒頭のイラスト4コマはもちろん三女あみちゃんによる作品。
ここ数日の井上牧場の1シーンを切り取ったもので、
主人公のホルスタインちゃんが体調を崩しているものの、
地震や停電による大きな影響なく、
いつもの牧場があったことも伝えています。


※なんとのんびり描かれていますが、
ホルスタイン母ちゃんは出産後から立つことができなくなっており、
もう数日経過しています。
早くよくなってくれるといいなあ。。


↓これが描かれている2頭!!



草を奪い取ってしまうガンジー母ちゃんはお産が近いので野外で過ごしていました、
本日の朝には出産が終わって新しい仔牛ちゃんが登場していました!
昨年も同じ場所で出産したガンジー母ちゃんです^^

↓産まれてきた仔牛ちゃん


↓性別チェックしている牧場作業員。
(どうやら女児らしい^^)



農業、酪農大国北海道なもので、
facebookやニュース等で今回の地震・停電の影響で
多くの酪農家が生乳を廃棄する様子が報道されたそうで、
井上牧場にも牛たちの状態や生乳の行き先を心配頂く声かけをたくさん頂きました。
ありがとうございます!


普段、こういった生産の場から遠い消費者の方が、
いつだってスーパーに並んでいる牛乳やアイスクリームやバターや生クリームが、
どんな風にそこに届いているのか
多くの人が知るきっかけになったのだなあと感じます。


そう、
牛たちを飼育する牧場の現場では、水道の水と電気が欠かせません。
(でもこれは、「現代におけるスタンダードな酪農」という前提。。。)


停電と断水が、酪農家にどう影響するのかをおさらいしてみますね。



まず牛たちはすごくたくさん水を飲むのです。
(乳牛なんてなんせ1日に20~30ℓもお乳を出す牛ちゃんも多いですからね…!)
水道から水が出ないとなると、
牛たちの数だけ遠くから水を運ばなくちゃなりません。


(関係ないけど私は牛たちが水を飲む姿も好き。。
チューチュー上手にのめるウシや、バッシャバッシャ舌ですくいとる下手くそなウシがいるよ…!)


それから搾乳するために電気が必要です、
機械を使ってお母さん牛の数だけお乳を搾ります。
井上牧場ならだいたい毎日60頭、
もっと大規模な牧場なら何百頭になることもあるでしょう。



それから、搾乳した後は、搾り終わった「生乳」が腐敗しないよう、
冷やしながら保管しなくてはなりません。
(※生乳は搾りたてのお乳、これを加熱殺菌すると「牛乳」となります!)

酪農を営む牧場には必ず、クーラーが設置されていて、
搾りたての生乳を冷却・保存します。
ここでも電気、それから水をたくさん使います。


↓ところで井上牧場は先日、故障が原因でクーラーの入れ替えをしました…
(右のクーラーが今のもの)
なんと以前の半分以下のサイズへチェンジしています^^;

(牧場作業員が大きすぎてこの前までのクーラーの大きさが伝わりにくいな…。)



以前からこのでかすぎるクーラーを小さくしたいという思いはあったのですが、
クーラーの故障により大至急入れ替えが必要だったのと、
ビンボー農家なので中古で調達してもらったことにより、
6000ℓサイズから2350ℓサイズへ…なんと以前の半分以下のサイズとなってます…!!


クーラーに保管している生乳は、
「集乳のトラック」により「乳製品加工工場」へ運ばれます。
流通が原因で集乳のトラックが動かないとか、
電気や水が不足して工場が稼働しない場合も、
牧場で保管しているクーラーの中の生乳はすべて廃棄することとなります。



↓これが集乳してくれるタンクローリー車。
我が家では"ローリーさん”と呼んでいます。


(ところで、上記のとおりクーラーの入れ替えにより、
これまでの2日に1回の集乳ではギリギリクーラーに貯めきれないことがあるので、
現在、毎日集乳してもらうという事態です…。
タンクローリーさんありがとうございます…!!)



井上牧場の場合は、
約1日半の間停電が続きましたが、断水はなし。
そして幸いにも発電機の用意があったため搾乳、クーラーで生乳の冷却と保管ができました。
さらに、普段から生乳を納品しているよつ葉工場も自家発電により稼働していたため、
いつもどおり集乳してもらうこともできました。



上記のいずれかが欠けていたら、
搾乳ができずにお乳の張った牛たちが苦しんだり、
体調を崩してしまったかもしれません。
また、生乳を廃棄することとなったでしょう。
実際にこのとおりになった酪農家さんが多くいました。


我が家において少し困ったことといえば、
発電機を回すためにトラクターが常時一台必要だったので、
牧草の収穫が滞ったこと。
それから、春からはじめた牛乳加工は工房の電力に不安があったことと
ヤマト運輸による配送ができなかったのでお休みしました。
それをのぞいては、ほぼ普段どおりの牧場でした、大変ありがたいことです。


それからトラクターを動かす軽油、
こちらも普段から自前のタンクから給油ができるので、
数日間であれば発電機を稼働することができます。
この残量が少なかったり、補給できず長期間過ごすことになったらまた大変なことになってしまいます。。


ところで、今回の停電により
多くの方が「電気がないと大変だ」って感じたと思います。
北海道より遠く離れて過ごす人たちも、
被災の様子に心を痛めて、
「電気がないと牛乳もアイスもケーキもヨーグルトもチーズも食べられないんだ」
と感じたと思います。


北海道電力の体制や、発電所の数や場所、種類について、
見直しが必要だと考える人もいるでしょう。


でも私が感じているのはちょっと違って、
「どれだけ普段たくさんの人がたくさん電気に依存して暮らしているんだろう」
ということのほうです。


本当にそんなに毎日ずーーっとたくさん電気が必要なのかな。
365日24時間、国が用意してくれるライフラインに頼りきっている暮らしって、私は不安だわ。
そんなことを改めて考える停電の時間でした。


牧場に関していえば、
電気がないと困った状況になるのは、
「たくさんの牛」を飼育していて、
「たくさんの生乳」を生産して、
「遠く離れた工場」で加工しているからです。



もし、
搾乳するべき牛たちが10頭くらいだったら、
家族何人かで手分けしてお乳を搾ってあげられたかもしれない。
とれた牛乳はせいぜい1日200ℓくらいで、
近くの人たちと分けたりして消費したかもしれない。
自家製の野菜と一緒に煮込んでシチューにして食べたかもしれないし。


だけど、
どうしてだか昔のように小頭数の牛を飼う農家はほとんどいなくなってしまいました。
同じ場所にたくさんの牛を集めて、
たくさん機械を使って、
たくさんの牛乳を効率よく生産することで、
「安くてたくさんの牛乳を流通させたい、そうしてほしい」と世間が考えたからだと思います。


電気がないと牛乳を頂くことができないのは、
今、そういう社会の仕組みの中で生きているから。



ちなみに井上牧場のような農村での暮らしは、
数日間の停電くらいでは生活がパニックになることは少ないと思います。
野菜や卵、牛乳、お肉を生産している農家さんが近くにいて、
自家菜園で野菜をつくっている人も多いし、
スーパーやコンビニが歩いていけない距離だから、
なんとなく食材は家にたくさん確保していたりする。
特に北海道には極寒の冬があって、
大雪や吹雪で家を出れない日があることも背景かもしれない。
ちなみに井上さんちの場合は冬になると薪ストーブを使っていて、
ひと冬を充分に越せる量の薪を蓄えているから、寒くてもどうにかなる。


みんながこんな暮らしをしていなくても、
近くの場所でこんな暮らしをしている人と友達になっていたら、
そこに避難することもできるかもしれない。


それからちなみに、
この地域では数十分~数時間の停電が起こることってわりとしょっちゅうある…。
今年に入ってから2~3回はあったような気がします。
(それもどうかと思う人もいるかもしれないけど…)
(住人はもう慣れているから大丈夫…)
(さすがに今回の停電は1日以上と長かったので困ったと思うけど…)



だから私次女はこのたびの停電の間も、
たいして不安になることなく、
のんびり穏やかに過ごすことができました。
実は私、
できるだけどんなときも心配なく過ごせる環境で暮らしたくて、
北海道の実家である滝上町の井上牧場に戻ることを選択しまして、今の生活があります。



↓毎年たくさんのお野菜を育ててくれるばあちゃんにとても感謝…!
そろそろ自分でも自家菜園覚えなくては…



今回を機に、
災害への備えを見直して、
日常のありがたみを感じた人が多いことでしょう。
災害はいつどこで起こるかわからないものです、
電気やガスや水道がいつでも整っている状態を願い、要求し続けるより、
災害時にどうしようもなくなってしまう現状のライフスタイルを見つめなおす機会になってくれたらと思います^^



何はともあれ、
停電の夜の星空は本当にキレイでした。。。
同じ星空が、大都市札幌の真ん中でも見られたのだと思うとなんだか不思議です。
本当に宇宙は広いなあ~。
ちなみに写真は撮ってません…!
肉眼で見る方が絶対にキレイだからね…!!



↓以下は停電の日の夜の自宅内と炭焼きピザ。
どんな状況でも楽しく過ごすワザと心持ちはすごく大事。





2018年8月2日木曜日

暑くても貫く集団行動。そんな牛たちがなんだか微笑ましい。。


7月下旬、
それまで涼しい涼しいと思っていた北海道も、やっぱり猛暑となりました。

井上牧場のあります滝上町は、
北海道の真ん中より東側。
山に囲まれた盆地の地形なので、
夏は暑く冬は寒いのが特徴です。
夏には北海道でその日一番暑い場所、
冬には全国でその日一番寒い場所を記録することもあります。


というわけでここ数日も、
北海道で一番の気温をたたき出しています。。
あ、暑い…。
滝上、雪も結構降るしね…。
なんて厳しい環境なのでしょう。。


しかしそんな厳しい気候のこの場所は、
美味しい野菜が育つ環境だったりもするんですよ~。


facebookでも少し紹介したのですが、
こう暑いと牛さんたちにもかなり堪えます。
特に、スーパーハッチにおりますガンジーちゃんが、
熱中症のような状態に。。



気温が上がって2~3日、
なんだかぼーっと立ち尽くす時間が長く。。
これはかわいそうだね~ということで特別対応。


バスタオルをかけて上から水をかけて冷やしつつ、
獣医さんにみてもらって点滴。




ちなみに牛たちの点滴は大変、
「じっとしててね~」って言ってもじっとしていてくれないので、
ちょっと大きく動くと針が抜けてしまう…。
点滴をしている間の数十分~、
牧場の人間もその場を離れることができません。。。
暑いし。。


そんなガンジーちゃんでしたが、
みんなのお世話の甲斐あってやっと元気になってきた様子。
良かったね~^^
療養中、ということでここ数日は放し飼い(…??)状態になっているそうで、
先ほどは分娩房の草を元気そうに盗み食いしてました~。



もし牛の熱中症を感じたときは、
ただ水をかけるだけでなく、タオルをかけてから水をかけてあげるのがよいそうです。
そのままかけちゃうとどんどん水が流れてうまく冷えないそう。
首にアイスノンを巻いてあげたり、
ちびっこ牛のハッチの場合は地面の間にレンガを置いて高さを出してあげると空気が通って涼しいそうですよ~
(一般的に生まれてから2~3か月くらいまでの仔牛ちゃんはハッチという個別スペースで暮らすことが多いので、
熱がこもって暑くなりやすいのだそう~)
情報をくれた山下さん、ありがとうございました^^!


それから生の水よりも、6%以下の食塩水(生理食塩水というやつですね!)をあげるのがよいとのこと。



人間の熱中症の場合もだいたい同じよね、
首やワキなんかを中心に冷やして、
水よりもスポーツドリンクを飲む。
汗と一緒に必要な塩分が出てしまうから、摂取しなくちゃいけない~。


この近辺では特に同業者さんたちを中心に人気を集めております、
田村牧場の“福”シャチョーさんがかいている
たむら牧場のDairyDairy でも、近々熱中症で困った仔牛ちゃんがいたそうですが、
スポーツドリンクで対処してました!!
いつもすごく丁寧に牧場の日々を描写してくれているので、
牧場関係者さん、
牧場のこと詳しくのぞいてみたい方にぜひオススメですーー^^
(それからめちゃくちゃ写真がキレイ…!)

暑すぎる夏|たむら牧場のDairyDiary
http://tmrfarm.sakura.ne.jp/wordpress/?p=13739



※急に写真がキレイになりましたがこれはね、家畜写真家のAKAPPLE(あかっぷる) さんに撮ってもらったやつですふふふ。


ところで当牧場では放牧をしていますが、
サンクスビーフとなってもらうべく暮らしているオス牛くんと、
まだ出産をしていない若いメス牛ちゃんたちの一部は、
春に牛舎を出たら冬までそのままずーーっと外で過ごしています。


基本的に食べるものはずっと放牧場内の牧草。
(あと勝手に生えちゃう野草…届くヤツは敷地内にある木の葉っぱとか笹とかも…)
どんなに暑い日でもずっとお外。



そして彼らなんだかおもしろいなあと思うのが、
きちんと集団行動をとっているところ。
彼らが自由に動ける放牧場は3~4haほどもあるですが、
(実のところこの頭数に対しては広さが足りないのですが…)
いつもみんなで同じ場所にいます。
草を食べているときはみんなで食べているし、
なんとなく同じ方向に向かって移動しながら草を食べているし、
休むときはだいたいみんな休んでいます。



せっかく広いところで暮らしてるんだから
「自分の好きな時間に寝たり食べたりすりゃいいじゃん…。」
と思うのですが、
どうやそれは人間の感覚のようですね。
群れで行動する牛たちにとってはごく普通のことなのでしょう。
それでも、
「ほんとはお腹空いてるの我慢してるやついるんじゃないかなあ…」
とか、
「具合悪くて疲れてるのに移動の時間になって倒れちゃうやついないのかなあ…」
とか、
ついつい私目線で妄想してしまうのですが、
どうやらそこらへんはいらぬ心配の様子。。。


↓あっでもお昼寝タイムなのに草食べてるヤツもいるね!!笑


ちなみに、暑いにも関わらず、
放牧場の中で同じ場所にかたまっているのには、
虫を寄せ付けにくくする効果もあるそう。


まだ数か月ほどのお子さま牛ちゃんから、
出産を控えた2年ほどの若いメス牛ちゃん、
あと1か月ほどでお肉になってしまう30か月ほどのリーダーオス牛くんまで、
しかも白黒のホルスタイン、
茶色っぷりもさまざまのブラウンスイス、
オレンジだったりこげ茶だったりのガンジーと、
大きさから毛色まで個性的なメンバーで構成された牛群は、
なんだか見ていてほんわかします^^


ちびっことお兄ちゃん牛が仲良くしてる感じも、
見ているのすごく好き~。


人間都合で生まれ育つ「家畜」である彼らを、
ただただ自然に返すことはかえって「不自然」になってしまうのですが、
それでも、できる範囲で牛たちが自然体に暮らせる環境を用意すると、
私たちには、彼らのことがもっともっと幸せそうに見える。
それは何より、
私たちにとって価値があると思っております。


いつだって人間は自分勝手、
自分勝手の中でも多くのひとが「いいな」って思うもの、
選びたいものは、
キレイだったり、
気持ちのよいものだったりするんじゃないかしら。


だから食べたり飲んだりするお肉や乳製品は、
なんだか幸せそうに見える牛たちから頂くものだったらいいなあって、
自分勝手に考えているところ。


そしてやっと、
そんな「井上牧場のなんだか幸せそうに見える牛たち」から頂いた、
牛乳を加工・販売するまでにこぎつけました…。
とはいっても1パック5ℓと量が多すぎるのと、
受注生産が基本なので飲食店さんへの販売が主なのですが…^^;


2018年8月現在の今は札幌の BARISTARTCOFFEE さんにて、ガンジー牛乳。
(「ノンビリガンジー」と名付けてます!)
※お日にちによっては売り切れのことございますのでご注意を!



それから同じく札幌、PARCO地下2階にあります、
Dairy made みるく san では、
ブラウンスイス牛乳をそのままで、
(「ゴキゲンブラウン」と名付けています…!)
それからいろんなお母さん牛のお乳がミックスされてます
井上牧場産牛乳はソフトクリームになって、
(「ナイスブレンド」と名付けています…!)
味わってもらうことができます^^


Casochiさん(@wakuwakucasochi)がシェアした投稿 -


それとですね、
滝上町内の ホテル渓谷 さんでも、
朝食の牛乳で ナイスブレンド いれてくれています~^^
通常メニューでもドリンクメニューで登場している様子。
お立ち寄りの際はぜひ~♪


長くなってしまったので牛乳についてのお話はまた次回に…^^;!
(ちなみに牛乳はグラスフェッドオンリーじゃないですよ…!)

2018年6月2日土曜日

次回6月6日18:00頃販売開始のサンクスビーフ、1517ばんのことを紹介しておきます!


相変わらずブログ更新が遅れてましてすみません…。
5月もいろんなことがあったんですけれどね…
いつものとおりのんびりしていたら6月になっていました…。


まずは簡単にここ最近の地元情報も…!


井上牧場のあります北海道滝上町では、
いまのところ一番の観光名所となっております「芝ざくら滝上公園」の山が
一面ピンクで埋め尽くされるのがこの時期、なのでした~。


だいたい、5月中旬くらいから6月上旬くらいまで、
公園中で芝ざくらを楽しむことができるんですよ~。





2018年は6月に入りましてもうそろそろ見ごろも終わりですが、
今年は例年より長い間、かなりキレイに咲いていたようです~^^
この公園、結構広く、お山なので散策するといい感じの運動になります。


ので、
来年以降にでもお越しの際は
ぜひ歩きやすい服装と靴でこられるとよろしいですよ~!



さて、本日のご報告。
もう2か月以上前の3月の末に、
1頭の牛くんが井上牧場よりと畜場へ出発しまして、
サンクスビーフとなり帰ってきておりました~。


一部は既に各飲食店さまへお送りしたり、
我々で頂いたりしているのですが、
肩バラ・ともバラとシンタマの一部を近々販売予定です^^!
6月6日18:00頃~より、
井上牧場サイト内「お肉のご注文」ページを公開しますので
ご希望の部位・量をカートに入れてご注文ください!
すべて冷凍ブロック、お支払いは納品後の銀行振込をお願いしております。
詳細についてサイトや当ブログやfacebookページなど、チェック頂けたら幸いです♪


というわけで本日のブログは、
近々みなさまにお届けできる予定のお肉となってくれた
1517ばんのことを紹介、記録しておこうと思います!


個体識別番号は
1388515179 ばん。
耳標の大きな文字4桁が1517ばん。


2015年6月12日生まれのガンジーです。
ガンジーはだいたい、我が家では「ガンちゃん」って呼んでます。


2018年3月26日に井上牧場を出発し、その次の日にお肉となりました!


元々交雑種からはじまった井上牧場のガンジーですが、
お母さん牛の1362ばんはガンジーの2世代め、
血統的には75%ガンジーなので、
(このへんややこしくてすみませんね…)
今回お肉となりました1517ばんは血統的にはガンジー88%くらいといえるでしょう~。


↓この方がお母さん牛です~
井上牧場にいるキレイなオレンジ色のガンジー系で1番のおばちゃん牛です!


1517ばんのガンちゃんも、
キレイなガンジー色なので牛たちの中にいてもよく目立ってました。


性格も結構目立ちたがりで、
牧場にあそびにいくと結構真っ先にかけよってきてくれます。
カメラ目線もめちゃくちゃ得意。



でも顔はブスです…。目が小さいし離れてる…。
でもカメラ目線すごく上手…。




人のことも大好き。
彼と記念写真撮ってくれたお客さんも、
結構多いんじゃないかしら。



↑本当によく人の近くにくるし、すごく見つめてきます…。


ガンジーらしくのんびりやさんだけど、
好奇心旺盛でお調子者で、
それから若い仔牛たちの面倒をみてるような印象があります。


群れで動くときは、
先頭を行くっていうよりも、
最後に仔牛ちゃんたちを連れていくようなシーンが多かったです。
きっと優しいやつ!



それから変な声でブォーーーーーーンて鳴いていることもよくありました。
たぶん何か訴えたいことがあるときに吠えてたと思います。
昨年の冬、放牧場から牛たちが脱走した事件のときなんかも、
一生懸命鳴いてました…!


ご参照ください^^



それから、このガンちゃんが生まれた日の写真について、当ブログの
ちっちゃいときは普通にかわいい…。



↓これは更にその後の彼。
まだかわいい感じが残ってますね、このあとどんどんブスになります。




↓もうちょっと大きくなった頃の写真。
そろそろブスになってきました!!




ちっちゃくてガリガリだな~と思っていた1517のガンちゃん。
気付けばめちゃくちゃ背が高く、大きくなってました~。


目つむってるときはなんかカワイさもありますね!



反芻シーンも気持ちよさそうでいい顔してます^^



井上牧場の近くに戻ってきて2年。
そろそろ、この後サンクスビーフとして出荷されていく牛たちは、
私が直接井上牧場に通って成長を見守ってきた牛たちばかりになりそうです。


ついその日までここにいたガンちゃんも、
今となれば当たり前にいなくなっていて、
なんなら真っ赤な、美味しそうなお肉として戻ってきていて、
なんならもう自分で食べてもいます。


なんだか変な話でしょうか。
でももう慣れてしまいました。
それどころか、顔の見える動物のお肉を頂くことは、
すごく自然なことだよねえ~とごく自然に思えるようになりました。
「ずっと一緒にいた動物のことを平気で食べられるなんて、
なんて残酷でヒドイやつなんだろう!」
とか思われてしまうのでしょうか。


この前のGW、
ちょうど井上牧場付近では桜の咲く季節だったので、
近隣住民さんや友人のみなさまとお花見パーティを開催しまして、
そのときに彼のお肉も焼いてたべました。
(お肉焼きとおしゃべりに夢中だったため写真撮らず…。反省…。
三女あみちゃんのinstagramを拝借します。)


mi__go__さん(@mi__go__)がシェアした投稿 -



それから5月には、
今年からサンクスビーフを取り扱って頂いております、
大阪の扇町にあります「無膳福助」さんが
なんとわざわざ井上牧場へ足を運んでくださったのですが、
ちょうど手元に残っていた1517ばんガンちゃんの肩ロースを
なんと丸ごとお料理頂くというスーパー贅沢な夜もありました。
福井さん、いまさらながら本当ありがとうでした…!!!!
(写真は雑ですが本当に贅沢でめちゃくちゃ美味)


(完全予約制の小さなお店とのことですが、
贅沢なスッゴイお料理が頂けそうです…!
いつかおじゃましなくては…!!)


instagramのロケーション 扇町 無膳福助 でも美味しそうなお料理たくさんチェックできます~




このお肉料理を食べるとき、
私の中でお肉になる前の姿が思い出されます。


オレンジの毛色で、
おでこが白くて、
背が高くて細くて、
変な声で鳴いて、
ブスで面倒見がよくて人が好きで、
夏の間は放牧場で走り回って、
草ばかり食べていたガンちゃんのことです。


彼の顔を思い出しながら食べる彼のお肉は、
大変ありがたく、
めちゃくちゃ美味しいです。


スーパーに並ぶお肉やお魚や野菜、
調味料やレトルト食品、お惣菜。
どれも便利で美味しいけれど、
どんな素材から誰がどこでどんな風につくったものかは、
よくわからないものばかりです。
利益や効率や利便性は高くても、
どうしたって正体不明のものになってしまうかなと思います。
そんな世の中の食事の風潮に、
ちょっとだけ不安も感じます。



「どこでどんなふうに育ったどんなものなのか」がわかる食事は、
すごく幸せなことです。
だけど、難しすぎることも、贅沢すぎることもないでしょう。
自分で育てたり、捕まえたり、つくったもの。
あるいは、よく知っている人から頂くもの。
そんな、正体のわかるものによる食事をしていけたら、
毎日はめちゃくちゃ豊かだろうな~と思ってます。





というわけで、
近日、ご希望の方に販売・お届けしますグラスフェッドビーフは、
こんな彼のお肉でした^^
ご希望の方は詳細の公表までもう数日お待ちくださいませ~!
美味しいよ~!



2018年4月30日月曜日

2018年4月、今年も井上牧場では放牧をはじめました^^




今年も井上牧場では牛たちの放牧をはじめました!
放牧場へ出かけていった牛たちは、
おのおの好きな場所をうろうろしたり





草を食べたり




座って休んでみたり。
なんとものんびりとしていて、
幸せそうに見えます!




井上牧場には総勢100数十頭の牛さんたちが暮らしておりますが、
その内、この日放牧場へと出かけていったのは
サンクスビーフとしてここを出ていく予定のオス牛くんと、
出産をしていないメス牛ちゃんたち。




なんだかハッピーな放牧スタートイベントですが、
実はこの作業、人手も必要だし、結構気を使います。



日本語で丁寧に段取りを説明することができない牛さんたちに、
今日は移動の日であることや、
牛舎から放牧場への移動ルート、
電気柵から出ないようにっていうルールなんかを伝えることはできません。
牛たちがパニックしたり興奮しすぎたり、
あるいは喜びすぎたりして好き勝手に走り回ると、
彼らが敷地の外に出ていってしまいます。
何百キロもある大きな体の牛さんを、
数十キロしかない人間がコントロールするのはとても困難なことなのです。




↑まずは牛舎から外の通路、待機場まで誘導します。
実は牛さんたち、外にでたらテンションがあがってしまうのか、
この時点で既に飛び跳ねたり走り回ったりしはじめます…。


↓この動画のように…。





そのため、
牛舎から直接放牧場に誘導せず、一度待機場まで出てもらって一呼吸。
また、全頭を一気に誘導することはしません。
数頭ずつ、何度かに分けて放牧場へと連れていきます。


それから、去年にも放牧場で過ごしたことのある牛さんの方が、
スムーズに移動してくれます。


↓このグループは駆け足しながらも上手に放牧場へ移動してくれました~^^






少しずつ、
放牧場がなんだか華やかに。
それぞれが個性的すぎる牛さんだらけなのもまた、
井上牧場の個性…。





この、放牧場への誘導の際に、
自分勝手すぎる牛さんがいると、
コースを外れて逃げ出したり、
電気柵をぶち壊してしまったりと、
結構な面倒が起こります。。。



↓動画31秒頃に向こうから走ってくる黒い牛さんは、
思ったとおり誘導したかった線に飛び込んでブチ切りました…。





その後もうまく放牧場まで進んでくれないので、
一旦スーパーハッチの運動場で待機させることに。





一呼吸おいてから、
ちょっと遅れてひろい放牧場へと出かけていきました~。


↓次の日にはもう、このとおり。
放牧場のなかを楽しそうにお散歩してました^^



放牧するときに事件が起こらないようにするポイントは、
「牛たちが電牧(電気牧柵)を知っているかどうか」にあります。


↓電牧はこの写真の手前にある線のこと。
触ると電気が流れます。



電牧に触ったことがある牛は、
電牧に触るとビリっときて嫌だったことを覚えていて、
ここを突っ切って脱走することはありません。
そのため、以前に放牧に出ていたことがある牛たちは放牧場に出ても結構安心なのです。



反対に、これを知らない牛たちは興奮にまかせて電牧に突っ込み、
牧場主や作業員たちによる必死の準備を台無しにします…。
牛たち逃げ放題状態になってしまう大惨事が起こります…。



だから、電牧でスペースを区切るときは、
「牛たちが電牧を知っている」こと、
つまり
「牛たちが電牧を触ったことがある」ことが重要。



牧場の人たちは、
初めて電牧のあるスペースに出る牛さんが、
既に電牧に触ったかどうか見張ります。



↓放牧開始の同じ日、スーパーハッチでも電牧柵で仕切る運動場を開放しました。



↑この彼女は初めて電牧に対面しています。
この後無事に電牧に鼻をつけて、ビリっときて驚いていました。
牛ちゃんにとってはかわいそうですが、
牧場の人たちにとっては大成功、安心です。
なのでその後はおとなしく、運動場の中で自由に過ごしています^^



来年以降、放牧のタイミングがあったときにも、
スムーズに出ていけるかもしれませんね~!




そんなわけで、今年も井上牧場でも放牧風景が見られるようになりました。
緑の上、木々の合間をのびのびと、
歩いたり走ったり食べたり座ったり眠ったりする姿を眺めていると、
すごく気持ちよいです。
牛さんたちとは話せないけど、
たぶん彼ら、彼女たちも気持ちいいと思う。
だってなんかそんな顔に見えるもの。
全部勝手な主観ですけどね…!



この後はお母さん牛たちも(全員じゃないけど…!)放牧を始めるそう。
おばちゃん牛たち、きっと喜ぶだろうな~。
楽しみ楽しみ!!