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2018年9月11日火曜日

電気がないと牛乳を飲むことができなくなってしまうのかな?




2018年9月6日の未明(という時間帯でいいかしら…。午前3時過ぎ。)、
北海道で大きな地震がありましたね。
“北海道胆振東部地震”という名前になったようです。
震源地付近では大きな被害があり、
その地域で暮らす人々、その環境を思うと言葉になりません。


この大きな地震は、
この大きくて広い大地北海道全域を揺らし、
北海道全域が停電するという事態でした。
ここ、井上牧場のあります滝上町も、
地震後1日~2日ほど停電が続き、
いつもとは“少し”、違う時間を過ごすこととなりましたので、
記録、紹介しておきたいと思います。



さて、冒頭のイラスト4コマはもちろん三女あみちゃんによる作品。
ここ数日の井上牧場の1シーンを切り取ったもので、
主人公のホルスタインちゃんが体調を崩しているものの、
地震や停電による大きな影響なく、
いつもの牧場があったことも伝えています。


※なんとのんびり描かれていますが、
ホルスタイン母ちゃんは出産後から立つことができなくなっており、
もう数日経過しています。
早くよくなってくれるといいなあ。。


↓これが描かれている2頭!!



草を奪い取ってしまうガンジー母ちゃんはお産が近いので野外で過ごしていました、
本日の朝には出産が終わって新しい仔牛ちゃんが登場していました!
昨年も同じ場所で出産したガンジー母ちゃんです^^

↓産まれてきた仔牛ちゃん


↓性別チェックしている牧場作業員。
(どうやら女児らしい^^)



農業、酪農大国北海道なもので、
facebookやニュース等で今回の地震・停電の影響で
多くの酪農家が生乳を廃棄する様子が報道されたそうで、
井上牧場にも牛たちの状態や生乳の行き先を心配頂く声かけをたくさん頂きました。
ありがとうございます!


普段、こういった生産の場から遠い消費者の方が、
いつだってスーパーに並んでいる牛乳やアイスクリームやバターや生クリームが、
どんな風にそこに届いているのか
多くの人が知るきっかけになったのだなあと感じます。


そう、
牛たちを飼育する牧場の現場では、水道の水と電気が欠かせません。
(でもこれは、「現代におけるスタンダードな酪農」という前提。。。)


停電と断水が、酪農家にどう影響するのかをおさらいしてみますね。



まず牛たちはすごくたくさん水を飲むのです。
(乳牛なんてなんせ1日に20~30ℓもお乳を出す牛ちゃんも多いですからね…!)
水道から水が出ないとなると、
牛たちの数だけ遠くから水を運ばなくちゃなりません。


(関係ないけど私は牛たちが水を飲む姿も好き。。
チューチュー上手にのめるウシや、バッシャバッシャ舌ですくいとる下手くそなウシがいるよ…!)


それから搾乳するために電気が必要です、
機械を使ってお母さん牛の数だけお乳を搾ります。
井上牧場ならだいたい毎日60頭、
もっと大規模な牧場なら何百頭になることもあるでしょう。



それから、搾乳した後は、搾り終わった「生乳」が腐敗しないよう、
冷やしながら保管しなくてはなりません。
(※生乳は搾りたてのお乳、これを加熱殺菌すると「牛乳」となります!)

酪農を営む牧場には必ず、クーラーが設置されていて、
搾りたての生乳を冷却・保存します。
ここでも電気、それから水をたくさん使います。


↓ところで井上牧場は先日、故障が原因でクーラーの入れ替えをしました…
(右のクーラーが今のもの)
なんと以前の半分以下のサイズへチェンジしています^^;

(牧場作業員が大きすぎてこの前までのクーラーの大きさが伝わりにくいな…。)



以前からこのでかすぎるクーラーを小さくしたいという思いはあったのですが、
クーラーの故障により大至急入れ替えが必要だったのと、
ビンボー農家なので中古で調達してもらったことにより、
6000ℓサイズから2350ℓサイズへ…なんと以前の半分以下のサイズとなってます…!!


クーラーに保管している生乳は、
「集乳のトラック」により「乳製品加工工場」へ運ばれます。
流通が原因で集乳のトラックが動かないとか、
電気や水が不足して工場が稼働しない場合も、
牧場で保管しているクーラーの中の生乳はすべて廃棄することとなります。



↓これが集乳してくれるタンクローリー車。
我が家では"ローリーさん”と呼んでいます。


(ところで、上記のとおりクーラーの入れ替えにより、
これまでの2日に1回の集乳ではギリギリクーラーに貯めきれないことがあるので、
現在、毎日集乳してもらうという事態です…。
タンクローリーさんありがとうございます…!!)



井上牧場の場合は、
約1日半の間停電が続きましたが、断水はなし。
そして幸いにも発電機の用意があったため搾乳、クーラーで生乳の冷却と保管ができました。
さらに、普段から生乳を納品しているよつ葉工場も自家発電により稼働していたため、
いつもどおり集乳してもらうこともできました。



上記のいずれかが欠けていたら、
搾乳ができずにお乳の張った牛たちが苦しんだり、
体調を崩してしまったかもしれません。
また、生乳を廃棄することとなったでしょう。
実際にこのとおりになった酪農家さんが多くいました。


我が家において少し困ったことといえば、
発電機を回すためにトラクターが常時一台必要だったので、
牧草の収穫が滞ったこと。
それから、春からはじめた牛乳加工は工房の電力に不安があったことと
ヤマト運輸による配送ができなかったのでお休みしました。
それをのぞいては、ほぼ普段どおりの牧場でした、大変ありがたいことです。


それからトラクターを動かす軽油、
こちらも普段から自前のタンクから給油ができるので、
数日間であれば発電機を稼働することができます。
この残量が少なかったり、補給できず長期間過ごすことになったらまた大変なことになってしまいます。。


ところで、今回の停電により
多くの方が「電気がないと大変だ」って感じたと思います。
北海道より遠く離れて過ごす人たちも、
被災の様子に心を痛めて、
「電気がないと牛乳もアイスもケーキもヨーグルトもチーズも食べられないんだ」
と感じたと思います。


北海道電力の体制や、発電所の数や場所、種類について、
見直しが必要だと考える人もいるでしょう。


でも私が感じているのはちょっと違って、
「どれだけ普段たくさんの人がたくさん電気に依存して暮らしているんだろう」
ということのほうです。


本当にそんなに毎日ずーーっとたくさん電気が必要なのかな。
365日24時間、国が用意してくれるライフラインに頼りきっている暮らしって、私は不安だわ。
そんなことを改めて考える停電の時間でした。


牧場に関していえば、
電気がないと困った状況になるのは、
「たくさんの牛」を飼育していて、
「たくさんの生乳」を生産して、
「遠く離れた工場」で加工しているからです。



もし、
搾乳するべき牛たちが10頭くらいだったら、
家族何人かで手分けしてお乳を搾ってあげられたかもしれない。
とれた牛乳はせいぜい1日200ℓくらいで、
近くの人たちと分けたりして消費したかもしれない。
自家製の野菜と一緒に煮込んでシチューにして食べたかもしれないし。


だけど、
どうしてだか昔のように小頭数の牛を飼う農家はほとんどいなくなってしまいました。
同じ場所にたくさんの牛を集めて、
たくさん機械を使って、
たくさんの牛乳を効率よく生産することで、
「安くてたくさんの牛乳を流通させたい、そうしてほしい」と世間が考えたからだと思います。


電気がないと牛乳を頂くことができないのは、
今、そういう社会の仕組みの中で生きているから。



ちなみに井上牧場のような農村での暮らしは、
数日間の停電くらいでは生活がパニックになることは少ないと思います。
野菜や卵、牛乳、お肉を生産している農家さんが近くにいて、
自家菜園で野菜をつくっている人も多いし、
スーパーやコンビニが歩いていけない距離だから、
なんとなく食材は家にたくさん確保していたりする。
特に北海道には極寒の冬があって、
大雪や吹雪で家を出れない日があることも背景かもしれない。
ちなみに井上さんちの場合は冬になると薪ストーブを使っていて、
ひと冬を充分に越せる量の薪を蓄えているから、寒くてもどうにかなる。


みんながこんな暮らしをしていなくても、
近くの場所でこんな暮らしをしている人と友達になっていたら、
そこに避難することもできるかもしれない。


それからちなみに、
この地域では数十分~数時間の停電が起こることってわりとしょっちゅうある…。
今年に入ってから2~3回はあったような気がします。
(それもどうかと思う人もいるかもしれないけど…)
(住人はもう慣れているから大丈夫…)
(さすがに今回の停電は1日以上と長かったので困ったと思うけど…)



だから私次女はこのたびの停電の間も、
たいして不安になることなく、
のんびり穏やかに過ごすことができました。
実は私、
できるだけどんなときも心配なく過ごせる環境で暮らしたくて、
北海道の実家である滝上町の井上牧場に戻ることを選択しまして、今の生活があります。



↓毎年たくさんのお野菜を育ててくれるばあちゃんにとても感謝…!
そろそろ自分でも自家菜園覚えなくては…



今回を機に、
災害への備えを見直して、
日常のありがたみを感じた人が多いことでしょう。
災害はいつどこで起こるかわからないものです、
電気やガスや水道がいつでも整っている状態を願い、要求し続けるより、
災害時にどうしようもなくなってしまう現状のライフスタイルを見つめなおす機会になってくれたらと思います^^



何はともあれ、
停電の夜の星空は本当にキレイでした。。。
同じ星空が、大都市札幌の真ん中でも見られたのだと思うとなんだか不思議です。
本当に宇宙は広いなあ~。
ちなみに写真は撮ってません…!
肉眼で見る方が絶対にキレイだからね…!!



↓以下は停電の日の夜の自宅内と炭焼きピザ。
どんな状況でも楽しく過ごすワザと心持ちはすごく大事。





2018年2月12日月曜日

井上牧場とCasochiの関係について


まだまだ真っ白な北海道滝上町です。
ここは国道273号線から井上牧場へ向かう道。


小学校、中学校へ向かう通学路でもあります。


一面真っ白の畑は、
誰の足跡もなくめちゃくちゃきれいです~。


足跡つけたいなあと思うところですが、
雪深すぎて長靴でも雪入ってきてツライのでできません…。
かんじきとかスノーシューとかないと無理です…。
(あれば余裕で雪の上ウォーク楽しめます!!
しかし個人的には年中通してインドアなのでよっぽどじゃないとしません…笑)




冬になって雪が降るたびに除雪車がとおりまして、
そのたびに道路の脇にどんどん雪が押されていくんです。
そうすると、道路脇がすごい高さになっていきます。



小学生の頃はこの上を歩いて帰るのが好きで、
そうすると片道15分くらいの帰り道が
へいきで1時間くらいかかってしまうという。。。
(そして靴に雪が入り最終的にとても寒くて冷たくて辛いです。)


道産子キッズのあるあるネタでしょうね~^^;!


そしてこんな過疎地な場所にある
井上牧場で生まれ育ちました私たち、
三女(平成生まれ)と次女で
2016年の12月に
「Casochi」という合同会社をたちあげております。
読み方はカソチです。
“過疎地”のカソチです…笑。
ちなみに代表は三女です。
長女もいろいろ手伝ってくれてます!




先日、ありがたいことに北海道新聞さんに
「Casochi」の取材を頂き、記事を掲載頂きまして、
多くの方から声をかけて頂きました…!




まだこの会社、立ち上げたばかりなのと、
稼働している本人たちがのんびりしているので、
熱いパッションもカッコイイ実績もないのですが。。
「いい記事だったよ~」
と声をかけて頂き、大変感謝しています^^



「Casochiって何する会社なの?」
「次女って毎日何しているの?」
と、
とてもよく聞かれます。
これ、すごく難しい質問です笑




あえて答えるとしたら、
ロゴマークやパンフレット、チラシ、名刺、パッケージなどのデザインと、
ウェブサイトの制作や管理運営、
ここら辺にある素材、人材を活用したハンドメイド品の制作、販売。
といったところでしょうか。
のんびりですが、
「ヒマだな~」と思うヒマはない程度の、
お声かけを頂けるようになりました。
このブログも、体制的にはCasochiが管理運営していることとしています。
井上牧場さんはいちユーザーさんです。


↑「いのうえさんちのラズベリー石けん」もCasochiでデザイン、印刷などお受けしているものです^^
ただいま(2018年2月)滝上町の道の駅でも販売中です~!!


このあとは、
過疎地域で楽しいイベントの企画・運営や、
食べもの、食べる場所をつくりたいな~と妄想、計画中~。



ますます何屋さんなのかわかりませんね!


Casochiは、
「何屋さん」
「何業」をするために生まれたのではありません。


だから一言で、
「何会社」っていうのが難しいです。



それってなんだかすごく変な感じがするかもしれないけれど、
一般的には利益を目的に活動する「会社」は、
何かしら必要とされているモノやサービスを提供することで、
継続することができるそうです。



そして、
世の中にとって必要とされること、
価値があることは、
時代とともに変わっていきます。



「何する会社」か決めてしまったら、
その「何」が必要なくなってしまったとき、
一緒に消えてしまうかもしれません。



だから、
会社やシゴトが長生きするために、
それから自分が長く幸せに楽しく暮らしていくために大事なのは、
「何をするか」よりも、
「何を目指すか」のほうなんじゃないかしら。


Casochiが目指すこと、
やりたいことはこんなこと。



こういう場所、つまり「過疎地」っていいな~と思うのに、
そう思っている人がまだまだ少ない。
何より過疎地に住んでいる人が、その良さに気づいていない。
私たち自身も、
この場所が好きだけど、
まだ好きじゃない部分がある。



山と川に囲まれて空気がおいしいし、
人が少なくて静かだし、
星もきれいだし、
季節それぞれに美味しい素材を楽しめるし、
どこでも大きい声で歌ったり、
なんならどこでもトイレできるし、
ネットでいつでも情報収集できるし、
車やバスや飛行機でいつだって都会に出ることもできる、
すごく贅沢で素敵な場所です。



そんな、ステキな場所だってことを住んでる人にも、
住んでいない人にも伝えたい。



だけどまだまだ好きじゃない部分もある。
この場所でうまれた野菜や牛乳を手に入れることができないし、
おいしくて安心の食材をつかったメニューがすくないし、
かわいくてオシャレなカフェも、おみやげもすくないし、
“私たちが”好きな楽しいイベントもすくない。



だったら自分たちでそろえていけばいいし、
この小さな地域ならそれができるきがする。



「そんなことしたいね!」
って言ってみたはいいけど、
次女と三女のままでは
どうにものんびりしてしまうんで、
「ちゃんとやろう!」の意思表示でつくりだしたのが、
Casochiさん。

↑北海道の過疎地の冬の牧場ではいろんなところでしりすべりが可能です



簡単に言えば、
「まちおこし」とか
「地域をもりあげる」とかいうやつかもしれないけれど、
そんな社会派なこととか、
問題解決みたいなことじゃなくて、
もっと自分たち目線の、
好きなことをする、
好きなもの、場所をつくる、
好きな生き方をしたいな~という単純なこと。



ところで、
必ず全ての人にずっとずっと絶対に必要とされ続けることといえば、
衣食住に関わること。
もっといえば、
「食べ物」に関わること。



野菜だったり、魚だったり、お肉だったり。
生きていく栄養になるもの。
だから、「生産者」と言われる職や生き方は、
理由も何もなく、絶対大事で必要なものです。



そしてそんな職や生き方ができるのは、
コンクリートと建物でいっぱいの都市部より、
森や山、畑、緑、川や海がたくさんある過疎地のほう。
だから過疎地は過疎地であるかぎり持続していくはずで、
カッコイイ地域だと思います。



そんな過疎地らしい生き方の1つが、
井上牧場のような、牛飼いであり、牧場です。



Casochiにとって井上牧場は、
いちばん身近な過疎地の資源で、
親子関係があるから手っ取り早いお客さん対象でもありました。



いまの井上牧場の規模や体制では、
自分たちだけで情報発信をしたり、
商品開発や販売をするのは難しいです。
私たちが、より身近な視点で、
井上牧場はどんな牧場で、
牛たちはどんなものを食べたり、
どんな暮らしをしているのか、
きちんと伝えていくお手伝いをすることで
お肉だったり、牛乳だったり、石けんだったりが、
より価値のあるものとして届けることができるんじゃないかなと、
考えています。



昨年より少しずつ準備をしていて、
この春にはCasochiとして
「井上牧場の牛乳」が販売できるようになる予定です!



すみません、設備などなどの都合で、
個人さんがスーパーで購入して冷蔵庫にいれておけるような
仕様の容器、量にはならないのですが、
いろいろと厳しい日本の牛乳に対する規制、基準をクリアできるものなので、
飲食店で牛乳や乳製品、メニューの材料として提供してもらえる牛乳ができる予定です~。



というわけで、
Casochiのいまのオシゴトはこんな感じです^^
牛乳の商品開発についても、
われわれCasochiがfacebookやブログでお伝えしていきます!!





井上牧場の次女 兼 Casochiのカソチの暮らしサポーター
みなみ


2017年11月2日木曜日

日本・北海道の農業を学ぶべく遠い国からお客様がきてくださいました!


今年はハロウィンさぼってしまいました…
11/2の本日も牧草ラップロールはピヨちゃんのままです
^^;


本格的な冬になる前に新しいラップになっているといいな…!

さて、そんな何もしなかったハロウィンの10/31は、
井上牧場に一台のバスが来ていました。



JICA筑波さんの実施する中南米生活改善研修に参加する研修生のみなさまです。




正確には「生活改善アプローチを通じた持続的農村開発コース」、
中南米各国の行政職員の方々が参加されているそう。
JICA筑波内で行われている全部で5週間ほどの研修の内、
1週間は北海道内の各地を現地視察されているとのこと。



ご縁あって、その研修先の1つとして井上牧場まで来て頂けることとなりました。


コロンビアにボリビア、ドミニカ、パナマ、プエルトリコ、コスタリカにグアテマラ…
などなど、
本当に遠いところから、北海道のこんな僻地まで。



写真では伝わりにくいのですが、
この日、井上牧場付近はとても冷え込みまして…。
現地人の私ですらとても寒かったです。


コーヒー栽培できるほど暖かいところで暮らす皆様ですから、
北海道・道北の寒さにさぞ驚いてくれたことと思います。
みなさん完璧な防寒着でよかったです!


(学がなさすぎてこのあたりの国名を聞いて思いつくのがコーヒー…猛省です…。)


しかし天気の都合で足元が悪かったのはごめんなさいね…。


そんな寒空の下、悪路にも関わらず、
代表ヒデさんの話をとても熱心に聞いてくださり、
牛たちや牛舎を眺めながら
餌のことや飼育方法のことなど、
たくさんの質問をしてくださいました。


しかしなんと言語はすべてスペイン語です。
英語すらまともに話せない井上牧場の人々なのに、
ましてスペイン語とは…!
しかしもちろん通訳さんが一緒ですし、
研修を運営する方々もスペイン語を操っています…。
こちらは日本語だけでもちろん大丈夫なのですが^^;


「生活改善アプローチを通じた持続的農村開発コース」について、
JICAのサイトでは下記のように説明されています。


〝 JICA筑波では、戦後日本に導入された生活改善普及事業の政策・制度面、
生活改善活動の考え方や手法を学び、各国の農村開発に活かすことを目的として、

2005年から生活改善研修を実施してきており、帰国研修員総数は2015年度現在295名に上ります。”
※引用元:日本の戦後の「生活改善」を世界へ|独立行政法人国際協力機構



それから、自ら考えて能動的に農業をする、自立した農業従事者を育てたいという狙いがあるそう。


井上牧場はもともと、明治に高知県から樺太へ開拓のため移住し、
戦後北海道に引き上げてきたという経緯があります。


ここでは、牛たちの飼育方法や牧場経営についてよりも、
「井上牧場」の思想や方向性、取り組みについてご質問頂いたのが印象深かったです。


都市部の会社員から実家の牧場へUターンした私(次女)たち夫婦のことなども興味をもって頂けました。
若い人、仕事をしたいと思う人が農村を離れ都市部に集中していくのは、世界共通の現象なんだなあと改めて実感しました。



農村地域や農の近くで暮らしをする人が減っているのは、
それよりも都市での暮らしが良いと「思う」人が多いから。
それは「都市が良い」のではなく、
そう見えている人が多いだけのことだと思っています。
もっともっと、こんな暮らしが身近で、魅力的に感じられるような牧場としての在り方、
それを伝えていくことが必要ですよね~。



そしてこの度、遠く離れた中南米という国の皆様とお話ができ、
改めて学の無さを反省…。
各国の場所は、歴史的背景、現在の状況などなど、
改めて調べてみるとまずは教科書に載っていたことばかり。
対して理解もせずにテスト対策のために丸暗記したけれどすっかり忘れてしまっていた単語や文章は、
今ならきちんと飲み込むことができそう。



そしてもちろん、
スペイン語の前に、最低限の「英会話」を全く勉強していないことも反省…。
英語なんてできなくても普段の生活は困らないし、
今後は翻訳のシステムが進んで、語学ができなくても全世界の人たちと話せるようになるはず。
でも、せっかくお会いした言語も文化も異なる人たちが、
どんなことを考えて、どんな問題を抱えているのか、
難しい言葉がわからないばっかりに、
問いかけることもできないし、
理解もできないこと、
自分たちの考えや文化を伝えきれないことが
すごくもったいなく、もどかしい。



もっとちゃんと学校で勉強すればよかった…
だから大人は子供に「勉強しなさい」と言うんですね…笑


ところで国際交流とはかけ離れていると思われがちな農山村、過疎地域ですが、
実は結構そんな機会があります^^
その秘密はご近所のおじさまたちが利用する「WWOOF」という仕組み。


WWOOF JAPAN サイト↓


私もこの1年半で実は結構たくさんの外国の方とお会いしていて、
連絡をとるお友達もいたりします。
ここに来られる方たちは、当たり前のようにいくつもの言語を習得していて本当にスゴイ…。
こちらは本当に日本語で精いっぱいなのに…。
海外旅行にほとんど興味のない私にとって、
日常生活で英語を使う機会がくるなんて思っていなかったのに…。



その辺の個人的な所感もまたいずれブログに綴りたいと思います!


というわけで国際交流したいと考えている方にも
農業、農山村での暮らしオススメですよ、ふふふ^^


研修生の皆様、この度はお越し頂きありがとうございました!
日本語のみでのブログで恐縮です…。
何か少しでも、参考にして頂けることがあったら幸いです。


Gracias!
Por favor vengan a jugar de nuevo!!

excite翻訳より…。


そしてかろうじて覚えたスペイン語は
「Delicioso」
「Papa」
この2つ…^^;


2017年4月13日木曜日

「牛飼い」や農業が、もっとスタンダードな生き方になったらいいなあ



春です!今年は特に雪解けも早い様子。




※と思っていたら、本日13日は雪でした…
結局こんな感じ↓になっていると思います…。


前回紹介したニューフェイスの周りに木の枝をちりばめました!
いつものごとくやっつけ作業ですが少しは温かそうです…!





さて、私次女と、
脱サラして牧場作業員となった栃木県出身の夫にとっては
北海道移住(Uターン)して2度目の春。
気づけば季節が一回りしてしまいました~。





1年あっと言う間のような、
むしろそれ以上ずっとここに住んでいたような。
なんだかカレンダーでは言い表せない時間感覚です。






結構大きな会社で働いていた夫が、
「北海道の牧場に転職しました」
というと、
元職場関係の方や友人知人からは
「休みもないし大変な仕事でしょう」
「北海道は寒くて大変でしょう」
と言われることが多いかな~。



反対に、
滝上町周辺に暮らす地元の人たちからは
「どうしてこんな田舎で牧場なんて」
と言われることがあります。



※ ↑なぜか鼻にワラがつきささっていてかわいい!



でもですね、元営業マンの妻目線でも、
牧場作業員(@井上牧場)の生活は
そう悪くないと思うのです。


参考までに、
最近の夫の一日のスケジュールを紹介します!




【2年目牧場作業員(@井上牧場)の一日の例】

起床はだいたい5:00頃です、
5:30~6:00頃に
出勤して朝の牧場作業をこなします。
たとえば徐糞したり、

 
※↑彼は見ているだけのように見えますがドアの開け閉めをするという重役を担当しているのですよ…!!



えさをつくったり、



あげたり、




搾乳したり。

(搾乳シーンの写真、まだ撮ってないのよね~
近々潜入取材してこなくっちゃ~)




と、こんな感じの作業を3~4時間ほどしまして、
9:30~10:00頃に帰宅します。



そうそう、
お昼頃には「餌押し」作業があります、
牛さんたちは、ごはんを食べている内に
どんどん飼料を遠くにやってしまうので、
牛さんの届くところに押し返してあげるお仕事です。
これが結構重要!



この餌押し作業は、5~10分もあれば完了します。



その後は、
15:00頃からはだいたい朝の作業と同じことを、
夜の作業として繰り返します。
搾乳の開始時間にもよりますが、
トラブルがなければ19:30頃に帰宅します。


 

だいたいそんな感じです。



牧場(搾乳)作業の合間になる数時間は、
春~夏になれば畑作業をしたり、
仔牛が産まれたとか機械が壊れたとか、
牛さんたちの状態によっては

獣医さんや受精士さんを待ったり、
お客さん対応をすることもあります。



調子の悪いお母さん牛のお世話をすることもあれば、



調子の悪い精米機を直すこともあります。




そういえば先日はこの時間に薪割りをしていました~

 
 
※割り方はかなり近代的なので、
「田舎暮らしらしくないな!」
とかつっこまれがちなのですが、
いいんです!
田舎にもテクノロジーは普及していますから~。
 
 

 

薪は井上さんちの大事な暖房エネルギーです.
「何月何日何時まで」とまでは言わないけれど、
「来年の冬に使う燃料を確保できるように」
しなくちゃいけないので、
とても重要な作業です。

 



収入を支えてくれるお母さん牛の面倒を見ることも、
お米を精米する精米機を直すことも、
薪を割ることも、

料理、掃除、洗濯、買い物と同じこと
「仕事」というより「生活」そのもの。

 


 
もちろん、自宅でゆっくりする日や、
買い物に出かけることもあります。
 
 
 
 
季節や天気、牛さんの状態。
牧場経営を続ける上での課題。
自分や生活のために必要なこと。



そのときどきの状況に合わせて
今やっておかなきゃいけないことを
自分で考えて実行していくのが、
農家さんの仕事でありライフスタイルだな~と
感じます。




 畜産や畑作など、
「農業」に関わる仕事は、
まだまだ
「特別な職業」とか、
「辛い仕事」と思われることが多いようです。
それを営む場所が、
ここ北海道滝上町のように、
農山村地域、いわゆる「田舎」であることも
背景にあるとは思います。



でも、
一次産業が生み出すものは、
命と暮らしに直結するもの。
食べるもの、素材、原料です。
めちゃくちゃ重要で、
決してなくなることのない産業です。



一次産業を支える農山村のような場所は、
都市に住む人にとっても、
田舎に住む人にとっても。
どんな職業を営む人にとっても。
誰にとってもとても身近な場所です。






どんな仕事にも意味があって、
辛いことも楽しいこともあるはずで、
向き不向きや好き嫌いもあるでしょう。





その他たくさんある、
多くの人が「普通の」と言うような職業と同じように、
農業をはじめとする一次産業が、

もっともっと
ごく普通~に選ばれるようになってほしい、
というのが、
私次女の個人的な願いの1つだったりします。



しかし、今の私次女は、
責任あるこの産業、ライフスタイルを
私自身が第一線で続けていく覚悟はなく…。


だけど、

農業という仕事の本当の姿を知ってもらうことや、
多くの人が実現できる職業であり
ライフスタイルになるような
お手伝いができたらなあ~
と考えている次第。


 
そんなことを思いながら、
1つの生産現場でありライフスタイルである

「牛飼い」のこと、
「農業」のこと、
「井上牧場」のこと、
引き続きお伝えしていきたいと思っております^^!





これから巡る2度目の春夏秋冬も、
新しく発見したり学んだり、
それからチャレンジなんかしつつ

また成長できるといいな~^^