2020年11月14日土曜日

【サンクスビーフ販売中!】今回のお肉はガンジー牛・めすのお肉です!

 お久しぶりです!!!

本日は久しぶりにお肉の販売をしますので、そのお肉について書いてみようと思います!


ただいま井上牧場サイト内に「お肉のご注文」ページを公開中、カートから注文できるようにしておりますのでご興味ある方はどうぞご注文ください!

今回は勝手にお肉の詰め合わせセットをいくつか用意してます!
この写真は赤身1kgセット…!(個数僅かです)

今回のお肉は、

個体識別番号1442217018 ガンジー雌。

2018年3月生まれ、10月と畜なので月齢30か月。

いつもは、「井上牧場生まれの、牧草だけを食べて育ったブラウンスイスかガンジーのオス牛(去勢済)くんのお肉」がサンクスビーフなのですが、今回はガンジーのメス牛ちゃんのお肉になりました。

1701ばんといえば思い出されるのが仔牛時代の熱中症…!
点滴打って、体冷やして。。大変だったね!!


今回はイレギュラー的にメス牛のお肉なのですが、いつもはなぜブラウンスイス/ガンジーのオス牛が、「サンクスビーフ」であるかについて、少しおさらいしてみますね!


こちらは1701のあとにお肉としておくりだした1731ばん、
同じくガンジーのオス牛くんでした!


井上牧場では現在、ホルスタイン・ブラウンスイス・ガンジーの3種類の牛たちが暮らしています。(厳密にはブラウンスイスとガンジーについては交雑が始まりです!)

今年も雪が降り始めたので、今現在は放牧終了しています!
この風景はまた来年の楽しみに😌


井上牧場は基本的には乳牛の牧場です、乳牛にお乳を出してもらうために、乳牛たちは人工授精で妊娠・出産を繰り返しています。(だいたい1年に1度ほど出産するペースです!)

これは乳牛のガンジーちゃん(もういないけど…)!
ベテランお母さん牛だったのでおっぱいが立派です🐂!


そこで、産まれた仔牛が女の子であれば、また2年ほど飼育して人工授精・妊娠・出産を経て、お母さん牛(乳牛)としてデビューしてもらいます。


しかし、産まれた仔牛が男の子だった場合は、乳牛としてデビューすることはありません。そうして乳牛から生まれた男の子の仔牛は、基本的には「肉牛」として、肉牛農家さんへ買われていくことになります。

こいつがホルスタイン!


日本における乳牛の99%は、みなさまがよく知っている「ホルスタイン種」です。乳牛からお乳を頂くため、ホルスタインのオス牛くんというのは、たくさん生まれ、肉牛としても多く取引され、飼育されています。


その一方、乳牛として飼育されているブラウンスイスやガンジーは、すごく少ないです。99%がホルスタインなのだとしたら、この変わった種類の牛たちは0.1%に満たない数です。

そこから生まれるブラウンスイスやガンジーのオス牛も、日本の肉牛市場全体でいえば、とてもとても僅かで、ほとんど取引されていません。牛肉として劣ることは決してないのに、牛種が違うために買い手がつかず、現在の市場では価値がつきにくいのです。

こいつがブラウンスイス!
日本での飼育数は数千頭、と言われているよ!


今でこそ少し状況が変わってきたようですが、ブラウンスイスの飼育をはじめた当初、生まれたオスの仔牛にはほとんど価値がつきませんでした。


そんなわけで、井上牧場では生まれたブラウンスイスのオス牛くんはそのまま牧場で、草だけを食べて暮らしてもらうこととしました。そして大きくなったら井上牧場のグラスフェッドビーフ「サンクスビーフ」として、自分たちで食べる、それから必要としてくれる・美味しく食べてくれる人に届けようとしています。



1701ばんはガンジー。ほんとはもっとオレンジっぽい色ですが、
この子は交雑種の毛色が強く出たようで、黒茶っぽい毛色に…!

乳牛から生まれた牛さんが女の子だったとしても、妊娠・出産ができなければ「乳牛」になることはできません。この1701ばんの牛さんは、月齢30か月を超えてもなかなか妊娠に至ることができませんでした。


こういった女の子の牛さんも珍しくはありません、人と同じで、希望していても妊娠が難しい子もいます。そんな牛さんは男の子と同じく、お肉用としてトラックに乗っていくことが通常です。そしてきっと誰かのごはんになってくれています🐮


(ガンジー、というとほんとはこんな色です!)

井上牧場でもこれまで何頭ものガンジーのメス牛が生まれましたが、1701ばんのように人工授精を繰り返しても妊娠しない牛は初めてということもあり、せっかくなので、自分たちでサンクスビーフとして頂いてみよう、ということになりました。


牧場で生まれた大切ないのち、まずは自分たちで頂きたいし、できるだけ牧場や牛たちのことを知ってくれる人に食べてもらえたら嬉しいなあという、そんな気持ちです🐂!


井上牧場では搾乳中の乳牛たちには一部穀物飼料も与えているのですが、妊娠前の育成牛たちは牧草ばかり食べています。今回の1701ばんもグラスフェッドビーフ。


赤身&煮込み部位まぜこぜ2㎏セット!の一例!
内ももORシンタマ1個と、スネ&肩バラが2~3ブロック入っています!


1701ばんが出荷された10月、別のサンクスビーフ1731ばんの「超フレッシュホルモン」を食べる会を開催していたのですが

※この会はりんねしゃ飯尾裕光さんのご厚意!と技術で開催されたもの…!ホルモンはとてもとても美味しかった…

ここのところ井上牧場のサンクスビーフを取り扱って美味しくしてくれている
(株)りんねしゃの飯尾裕光さん!


同じくこの会で1701ばんのお肉も少し頂いたのですが…とてもとても美味しかった…

すみませんこれは1701のサーロイン、、
今回の販売セットにはないです…!!


お肉はオスよりメス、それから未経産のほうが美味しい、という話がありますね。まさにその通りなのかも。。

飯尾さんも大変このお肉を美味しい!と言って気にってくださりました。熟成かけずとも、みずみずしいままが柔らかくて甘くておいしいお肉です。

1701ばんの仔牛のとき!
なかなか写真が残せていなくてごめんよ…。

「未経産のメス牛がおいしい!」からといって、女の子の牛たちが選ばれ、女の子の牛たちだけがお肉になっていくのは好きではないけれど、牧場・牛飼いという暮らしと、この暮らしが支える社会が、より長く無理なく続いていくための自然な選択として、お肉になる牛たちを決めていけたらいいのかなあと感じます!


乳牛として生まれたのに、乳牛にはなれなかった命。だけど、おいしいお肉となってわたしたちの体をつくってくれます。家畜として生まれた動物たちは、いろんな形でわたしたちのいのちをつないでいますよ!


いつもと少しかわったサンクスビーフ、ご興味ありましたらどうぞご注文くださいね!


井上牧場HP:お肉のご注文